shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Best Of George Harrison (Pt. 1)

2010-01-07 | George・Ringo
 昨日でリンゴ3連発も一段落し、ビートルズ・ソロ特集も一応終わりにしようかと思ったが、よくよく考えてみるとまだジョージだけソロ時代の総括をやっていなかった。オリジナル・ソロ・アルバムは又別の機会に譲るとして、とりあえずリンゴ同様ベスト盤で大まかな流れを整理しておこうと思う。
 ジョージのベスト盤と言えば去年 “レーベルを超えたオールタイム・ベスト” という触れ込みで「レット・イット・ロール」が出たが、あまりにもアホな選曲に呆れてモノも言えなかった。「ディス・ソング」も「クラッカーボックス・パレス」も「二人はアイ・ラヴ・ユー」も「ダーク・ホース」も「バングラ・デシュ」も入っていないベスト盤って何なん?しかもその代わりにバングラ・デシュ・コンサートからビートルズ時代の彼の代表曲3曲のライヴ・ヴァージョンを入れるという、 “とにかく売れたらそれでエエやん” 的精神丸出しの暴挙!オリビアが選曲したと謳っているが、ホンマかいな?私がひねくれているだけかもしれないが、ファン目線の選曲基準とはとても思えない。ジャケットがめちゃくちゃカッコエエだけに返す返すも残念だ。そういえば「ベスト・オブ・ダーク・ホース1976-1989」という盤もあったなぁ... いくら「セット・オン・ユー」が1位になったからっちゅーて、アレはないわ。個人的には好きな曲が多いけど、一般ウケとは程遠い内容だった。
 そこで登場するのが76年にアップルとの契約切れに伴ってレコード会社が最後のアブクゼニ稼ぎとばかりに発売した「ザ・ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン」である。選曲はジョージに無断でレコード会社がやったということだが(←アーティストの側に拒否権ないんかな?)、この盤はA面にビートルズ時代の代表曲、B面にソロになってからのヒット曲というイビツな構成になっており、いかにも “アンタはソロ・ヒットだけではベスト盤1枚作れへんよ” と言ってるみたいでジョージに失礼だ(←ジュリーのベスト盤に「シーサイド・バウンド」入れへんでしょ?)。「イズント・イット・ア・ピティ」とか、「ディン・ドン」とか、「イフ・ノット・フォー・ユー」とか、いくらでもエエ曲あるやん!しかもそれに追い打ちをかけるかのようなこのトホホなジャケット... このジャケ見て購買意欲が湧きますか?
 ボロクソついでに言うと、カッティング・レベルが低いせいか情けないくらい脆弱な音で、「マイ・スウィート・ロード」や「ホワット・イズ・ライフ」といったスペクター・サウンドすら迫力に欠け、 “音の壁” どころか “音のカーテン” と言った方がいいくらいの薄っぺらいサウンドだ。ジョージと同じくアップル離脱ということで同時期に発売されたジョンの「シェイヴド・フィッシュ」やリンゴの「ブラスト・フロム・ユア・パスト」といった元ビートルのベスト盤と比べても、選曲、ジャケット、サウンドと、すべての面でこのジョージ盤だけが不当な扱いを受けているように思う。実際、私がこの盤を買ったのも、「バングラ・デシュ」のシングル・ヴァージョンが入ってるからで、あまりちゃんと聴いていなかった、
 で、今日久しぶりに①「サムシング」から⑬「ホワット・イズ・ライフ」まで一気聴きしてみたのだが、LP時代には納得いかなかったAB面分割構成もCDで通して聴くと、グループとかソロとか関係なしにジョージ・ハリスンという一人のアーティストの足跡が辿れて違和感なく楽しめるのだ。CDフォーマットの恩恵か、それとも私の感性が変化したのだろうか?とにかくこのアルバム、安心ラクチン格安パック・ツアーでジョージのヒット曲を楽しめるという点では大いにアリだと思う。70年代前半のヒット曲についてはパート2で... (つづく)

マイ・スウィート・ロード/ジョージ・ハリスン My Sweet Lord/George Harrison
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