23日より、内モンゴル自治区錫林浩特(シーリンハオト)市では、大規模な抗議が続いています。5月11日、遊牧民メルゲンさんが石炭を積んだトラックにはねられ死亡した事件がデモの発端となりました。住民らは仕組まれた殺人事件であると見ています。地元政府の前では、二日続けて大勢の住民が抗議行動を行いました。23日には大勢の警官が動員され、にらみ合いが続く中、数人が拘束。24日には、地元高校の2千人の生徒が横断幕を掲げてデモ行進。メルゲンさん死亡の原因究明や、遊牧民の生存環境や人権の尊重を求めました。情報によると、デモに参加した生徒4人が拘束されました。
プリンストン中国学社執行主任 陳奎徳
「中国の集団事件は毎年増え続け、激しさを増しています。庶民の権利の保障がないのと社会の基本的な公正さがない。不公平を報道できる独立メディアがないと、この状況はなくならないでしょう」
今回のモンゴル族による大規模デモは、炭鉱開発に抗議した遊牧民メルゲンさんが、5月11日朝、石炭を積んだトラックに頭や身体を轢かれ、即死した事件がきっかけとなりました。昨年12月に浙江省で発生した銭雲会(せん うんかい)事件の再現だともいわれています。
中国政治迫害反対同盟執行長 劉因全
「中共はマフィア化しています。銭雲会事件も多くの人は地方政府の役人が、トラックでひき殺したと見ています。内モンゴルのこの事件も銭雲会事件と似ています。同じく中共の官商癒着で、マフィア化したのも手伝って、惨劇が発生しました」メルゲン事件は、内モンゴルの炭鉱開発にまつわる惨劇の一つに過ぎません。今月15日にも自治区内では、炭鉱開発業者が汚染に抗議する地元住民を殴打する事件が発生し、23歳の青年が犠牲となりました。
@背景には、シナで一番美しいとされるフルンボイルの大草原が、石炭の採掘や大気汚染によって破壊され続け、草原が縮小し砂漠化が進んでいる事に起因しているようです。それに抗議していたメルゲンさんが、事故を装って殺害されたという事のようです。内モンゴルは石炭の埋蔵量が7000億トンもあってシナで最大級の石炭鉱脈になるそうです。ジャージ姿の高校生2000人が先頭に立つ抗議デモ、素晴らしいですね。死者が出ない事を祈りたいと思います。