あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道ある記(前編)・愛媛その2

2006-10-27 19:53:27 | 初めての四国遍路
 明日28日(土)と29日(日)は、カントリーウオークグループの
メンバーで、栃木県日光市(旧足尾町)へ、1泊のウオーキング
に出かけます。

 28日は、渡良瀬川の支流・庚申川をさかのぼって国民宿舎泊、
29日は、旧足尾精錬所跡の見学と、旧国鉄足尾線廃線跡を間藤
まで歩く予定です。

 標高800m以上の谷間にある国民宿舎では、モブログは無理
かと思いますので、レポートは30日以降にアップします。

 四国遍路道ある記(前半)は、愛媛県に入りましたが、あと4日
歩きます。

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第24日 2004年3月14日(日) 晴
=峠の上で遍路組曲のコンサート=
 
 今日は、昨夜の前夜祭に続く催し、「トレッキング・ザ・空海」に
参加するのと、次の宿まで22km足らずだし、昨夜遅かったことも
あり、7時に朝食とした。

 朝食前、部屋にあった2冊のノートを読む。宿泊者が書いたもの
だが、前日の宿から荷物を車で運んでもらったこと、歩けなくなっ
て次の宿まで送ってもらったこと、おかみの人柄にひかれて何回も
泊まったことなど、「御荘小町」といわれた美人おかみに感謝する
メッセージであふれていた。

 おかみさんと話ながらの朝食。ご主人を数年前に亡くし、一人で
宿を守っておられることや、宿泊した遍路の誘いで、一緒に旅行や
催しなどを楽しませてもらったことなど、人気おかみならではの交流
について聞かせてもらった。

 昨夜のご厚意を感謝して、8時2分にTさんと磯屋を出る。トレッキ
ングの出発地は、昨夜と同じ「DEあい21」。約9kmあるというが、
10時に着けるだろうか。

 御荘湾沿いの国道に、赤い実だけで葉のない街路樹が続いている。
Tさんと「何の木だろう」と話ながら進む。川之江では高度が上がり、
御荘湾の展望がよい。

 菊川小の先の上り坂で、逆打ちの男性遍路に声をかけられた。家
にはほとんど帰らず、野宿で回って19回目とか。

 赤い納札をくれて、「家からは月5千円の仕送りしかないので、いく
ばくかの…」と言う。それではと500円ずつさしあげた。もらった納札
には、妻子3人を相次いで失い、供養のため回っていることが記され
ていた。


 坂を上り、切り通しを越えると室手。海の展望が広がり、真珠貝の
養殖いかだが幾つも並んでいる。沖合は春霞みで見えない。


 9時50分、「DEあい21」に着く。すでに大勢の参加者が体操中。
急いで受付とトイレを済ませると10時、参加証(下の写真)をもらい、
すぐにスタートした。



 相川沿いにぞろぞろと長い列が続く。役員に聞くと、参加者は約
500人という。村外の参加者がほとんどのようだ。

 見事なハクモクレンが咲く柏坂上り口に着いた。ここからが急坂の
山道だ。用意されていた杖代わりの竹棒を借りて、突きながら一列
になって坂を上がる。

 標高300mの柳水大師には給水サービスがあり、冷水をもらう。
歩き遍路の参加者は我々2人だけ。参加者と話しながら、少しずつ
抜いてゆく。上りが続き汗が出る。

 標高460mの柏坂を過ぎると、林間のゆるい下りとなる。小さな
祠(ほこら)の清水大師に参拝し、更に進んで昼食地の接待松に
着いた。

 由良半島周辺の海を見下ろす絶好の展望地で、甘酒のサービス
があった。ここで野外演奏をする月岡さん、松末さんは既に着いて
いて準備中。

 すぐ近くが空いていたので腰を下ろし、磯屋のおかみさん心づく
しのおむすびを食べる。

 12時から野外コンサートが始まった。ごぜ唄、童謡、そして遍路
組曲が、青空の下、すばらしい展望の中で、今日も月岡さんの力
強い唄が響き、大変感激する。

 演奏が終わり、下りようとしたら、きのう紹介してくださったYさん
が来て、月岡さん、松末さんに、我々が歩き遍路中に参加した
ことを紹介して下さり、お二人からも激励の言葉を頂いた。

 反対側への下り道は傾斜が緩い。牛の背、女兵さん私案の石、
狸の尾曲がりなど、伝説の説明板を見ながら下る。茶堂休憩地
を過ぎたら、珍しいシキミの畑があり、花の咲き出した木もあった。

 ミカン畑が現れた。持ち主の奥さんが、「出荷後だから自由に
食べて下さい」と言う。数個もいで甘いミカンをその場でいただき、
残りはザックに入れる。

 津島町上畑地の1戸だけの民家の横に、へんろ椿と呼ぶヤブ
ツバキの古木があった。樹齢300年、目通り2.26m、高さ12
mという。

そばに、今朝見た赤い実の木があったので聞くと、接ぎ木して
実の付くようにしたモチノキだと教えてくれた。

 近くにあるピンクの桜が見ごろである。

 舗装された林道を下り、国道56号に近いゴール地に着いた。
缶飲料と酒まんじゅうを頂く。ここで声をかけて下さったのが、こ
の後開く句会の選者、夏井いつきさんの叔父にあたる宮部さん。
いつきさんの句入り名刺を頂いた。

 担当の方にお礼申し上げ、参加者に分かれて先方に向かう。
国道56号の南側、芳原川沿いの集落を抜ける。アオサギが
2羽、芦原に立っていた。

 さらに芳原川沿いの自転車道を左岸から右岸へと進む。この
街路樹は、オリーブに続き、ツバキとハクモクレンだった。

 津島大橋の手前を東に入り、川沿いに進んで、15時52分、
三好旅館に着いた。古いたたずまいで、いかにも旅館という
造り。新館と旧館の間に醤油販売の店があり、これも古い店
造りだ。

 本館に入り、早速入浴と洗濯をする。夕食は別館でTさんと
一緒に。豪華なエビフライ、さしみ、などなど盛りだくさん。
おいしいので全部頂いた。

 食後、Tさんが入れてくれたお茶に茶柱が立ち、「明日はきっと、
いいことがありそうだね」と喜んだ。

〈コースタイム〉民宿磯屋8・02ー菊川橋8:46ー御荘町・内海村境
9:31ー「DEあい21」9:50~10:00ー柏坂ーつわな奥展望台(昼食・
青空コンサート)12:00~13・00ー茶堂ー小祝ー三島(国道56号際
ゴール)14:43ー三好旅館15:52

(距離 22km、歩行地 御荘町、内海村、津島町、歩数 
 41,500)

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