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あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

第7次中山道ウオーク(福島~須原)

2006-10-20 20:26:24 | 中山道を歩く
 06年10月13日(金)(福島~須原)

 前夜、「朝食は6時45分、出発は7時30分」と聞いていたが、
目覚めたのが朝食の10分前、あわてて食堂に駆けつける。

 連泊なのと、弁当は宿から届けてもらえるので、ナップザックに
飲料程度なので軽い。それでも準備の時間がなかったので、木曽
福島駅への送迎バスに乗り込んだのは7時30分ぎりぎりだった。

 濃くたれ込めていたガスが次第に上がり、今日も好天。気温も昨日
くらいになる予報である。今日からの参加者も加え、34人が8時3分
に木曽福島駅前をスタートした。

 線路の西側を抜ける「ふれあいロード」と呼ぶ細道を進み、500m
ほどでレンガ積みのトンネルを抜ける。

 トンネル入口には「列車注意」のペンキが残り、国鉄時代の中央線
旧線トンネルだったことが分かる。気温は10℃前後だろうか。吐く
息が白い。

 沼田野で国道19号を横断し、その先でJR中央線の線路の東沿い
や、中央線と国道の間などを進む。小さい集落神戸(ごうど)を抜け
ると、御嶽神社があり、「御嶽山遙拝所」の標識が立つ。

 「木曽の道筋で御岳山の仰がれるのは、鳥居峠のほかはこの地
だけ」との説明があるが、境内は樹木に覆われ御岳山は見えない。

 しかしその先、緩い坂を上がって行くと、北の谷間に御岳山の頂部
が姿を現した。

 次の板敷野もわずかな集落。沓掛馬頭観音の小さな社に参拝し、
一里塚跡から国道へ。


 500m余りで、赤いアーチの桟(かけはし)橋がある。

 木曽川左岸のこの辺りは、険しいがけの岩の間に丸太と板組を
籐づるなどで結わえた桟のあったところ。

 正保4年(1648)に通行人のたいまつで消失後、中央部を木橋と
した石垣をつくり、何度か改修されたという。 

 桟橋を右岸に渡ると説明板があり、国道下に残る石垣が見下ろ
せる。そばに、桟を詠んだ子規の句碑が立っていた。


 中山道である国道は車が多いので、このまま右岸を進む。添脇
集落に上がり、河床よりかなり高みの2車線の道を3kmほど進む。
池島辺りでは東の山間に、中央アルプスの木曽駒が岳と宝剣岳の
上部が見えた

 木賊(とくさ)集落を抜け、鬼淵橋を渡って上松宿に入る。橋の
上流に並行して朱塗りの錆びた古い鉄橋が残っている。

 旧王滝森林鉄道の鬼淵鉄橋で、同鉄道は、桟橋の上流で木曽川
に合流する王滝川の奥まで続き、日本の森林鉄道の代表的存在
だった。いま、添脇から歩いてきた道は、その廃線跡だったのだ。

 町のマンホールのふたには、その森林鉄道がデザインされていた。

 古い家並みが少しだけ残る上町から本町を回り、上松駅に寄っ
て小休止。上松は古くからの木曽ヒノキの大集積地。駅前に、太い
ヒノキの丸木が1本立っていた。

 駅の横で記念撮影して町並みに戻る。

 昨年の第6次中山道ウオークで宿泊したという旅館「堺重」に
立ち寄り、おかみさんにご挨拶し、声援をいただく。

 中山道は、町並みの東側、高台の旧道を進む。、北斜面の棚
田や南に延びる国道などを見下ろし、寝覚(ねざめ)集落に入る。
昔ながらのたたずまいで残る「民宿たせや」と「越前屋」の間を
下り、国道の先にある臨川寺(りんせんじ)入口へ。


 ここで、宿からの弁当を受取り、拝観料を払って境内に入り
昼食。眼下に木曽の名勝で、浦島太郎伝説などでも知られる
「寝覚の床」が見下ろせる。しかし、手前に景観を損ねるJR
中央線の架線などがある。

 昼食後、急坂を下って間近から眺めてきた。

 境内には、尾張藩主徳川吉通が、正徳4年(1711)に命じて
建てたという、弁財天堂がある。

 二つの民宿のところまで戻り、南へ向かう。すぐ先の三差路際
に、幹の周囲4.1mというカツラの古木が立つ。

 小野原で線路際に出て民家の庭先を通過、国道に下ると、すぐ
先に「小野の滝」が、中央線の鉄橋下から落下している。

 高さ約9m、広重・栄泉の中山道六十九次の浮世絵にも描かれ
た木曽八景の一つである。

 中央線と国道の間に入り、荻原一里塚跡の先から線路の東沿い
に上がる。「木曽古道」と呼ばれる道で、緑陰が暑さを和らげて
くれる。

 小さい集落、立町には2個所の水場があり、冷水が流れ落ちて
いた。倉本駅で小休止する。

 線路の東側の倉本から西側の池の尻へと線路下を行き交う。池
の尻には色づいた柿の木が多く、甘いか渋いか、木により人により、
それぞれの鑑定が分かれる。

 木曽町(旧木曽福島町)に入ってすぐ、踏切のないところで線路を
横断し、東側の古道に上がる。先頭付近が横断中に上り電車が
通過し、一瞬ハッとさせられた。

 上がる斜面にたくさんのコイの泳ぐ池があり、そばにエドヒガン(桜)
の古木が立つ。


しばらくは中央線の東沿いに進む。今日も正面から午後の日差し
を受けて暑い。

 上倉バス停で線路の西に回り、14時41分に今日のゴール、須原
駅に着いた。

 待合室に、先ほどヒヤッとしたことの戒めになるような、ポスター
が貼ってあった。

 送迎バスで16時前に宿に戻り、部屋に入る前に、食堂でケーキと
須原の名物・桜の花漬け茶をいただく。

 前夜の夕食もたっぷりだったが、この日も、山の幸や牛肉のしゃ
ぶしゃぶなど盛りだくさん。1日歩いて消費したカロリーを補って余り
ある、ごちそうだった。

(コースタイム)木曽福島駅8:03-沓掛観音9:03-桟橋右岸9:15~
25-鬼淵橋9:57-上松駅10:10~30-臨川寺(寝覚の床)(昼食)
11:01~45-小野原12:08-荻原一里塚跡12:33~43-倉松駅13:09
~16-上松・木曽町境13:48-上郷バス停14:28-須原駅14:41=
<送迎バス>=木曽駒高原「駒王」15:57

(天気 晴後快晴、距離 25km、歩行地 木曽町(旧木曽福島
 町)、上松町、大桑村)
コメント
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