魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

祭の季節

2016年03月02日 | 日記・エッセイ・コラム

スーパー・チューズデー。いよいよ、トランプ指名が現実のものとなってきた。
アメリカの良識人は、あり得ない事だと、想像さえしていなかった。
アメリカ人が先進国民たる心得の、あらゆる立前を捨てて、ブッチャケの本音をまくし立てることで、多くの庶民が溜飲を下げた。

アメリカの良識人は、こんなのが大統領になったらアメリカの恥だと思っているが、そういう立前を全く捨てて、お笑いタレント以上の、底抜けの放言を繰り返すことで、現実に支持を得てきた。

トランプが大統領になったら、日本は笑い事ではない。一方的に助ける同盟国など認めないと言っている。TPPなど不公平だとも言っている。これも、アメリカの本音だ。
いわゆる良識人も、心の底ではそう思っている。だからこそ、自分はそんな無知で下劣な人間ではないと思いたいから、アメリカ正義の体現者のような顔をしたがる。

アメリカの公の世界は、自由平等、人種差別反対、人権の擁護、公正経済、世界平和の警察官・・・を立前にしている。
しかし、この立前は、もともと自らの欲望の本音を隠すために、目標として掲げられたものだ。

この立前は、日本人が、「おまえそれでも日本人か」と言われると、反論できなくなるように、金科玉条の錦の御旗なのだ。
この立前は、是非を論ずることさえはばかられる。だから、「オバマが黒人でなかったら大統領になれただろうか」と言った、反語的な言い回しで、立前の愚かしさを批判する。
その立前の社会によって支えられている政治が、何一つまともなことをしない。
アメリカ国民も、だんだん、「実は、俺もそう思っていた」と、目覚め?始めた。

「王様は裸だ」と叫ぶトランプに、皆もそう思い始めた。
しかし、まだ、抵抗勢力の公社会はトランプを葬ろうとしている。実際、トランプ大統領になったら、日本も困りそうだ。

でも、本当にそうだろうか。クリントンの方がありがたいだろうか。確かに、クリントン夫婦はプロの政治家だから、これまでと、特に変わったことはしないだろう。それが、今の世界の混乱を生んでいる。また、クリントン夫婦はこれまでの言動から見ると、決して親日ではない。

一方、トランプは商売人だ。先ずは自国の利益を優先するが、取引の道理に適ってさえいれば、好き嫌いで付き合わない。ムチャクチャなことを言っているように聞こえるが、対等な取引の観点から見れば、至極、当然のことばかりだ。
いわゆるプロの政治家の、立前の外交を度外視すれば、充分、話の出来る相手だ。
現在の放言は、金持ち親父の政治遊びで、プロの政治家のような欲は無いから、ダメ元で言いたい放題言ってみたら、バカウケしたに過ぎない。

もし、トランプ大統領になれば、今の共和党が忘れた、是々非々の人道主義で政治をやるのではなかろうか。何よりも評価できるのは、自分が大統領になったら、プーチンと上手くやって、世界に安定を導くと言っていることだ。独裁という意味なら困るのだが。