橋下維新の会の「維新八策」なるものが出たが、これまでこのブログで言ってきたこととも一致している。
誰かに読んでもらったのだろうかと思うぐらいだが、日本の現状を見ていれば、誰でも至る、必然的な結論なのだろう。
ただ、心配するのは、歴史が語るように、世の中を動かす力というものは、「一筋縄では行かない」ということだ。
世の中は、多様な人、多様な歴史が綾なして動いていく。
ゆく河の流れは、岩に砕け、瀬に返り、時に止まり、時に速く、思いがけない水面に浮かびながら、すべてをのみ込んで流れてゆく。
幕末の歴史は、昨日のことのように振り返ることができるが、
黒船来航1853年~明治維新1868年までの、わずか15年間の動きは正に激動で、一寸先が読めない。主流が突然、逆流に消え、支流が本流になり、官賊がめまぐるしく替わった。
これこそが、三国志の昔から変わらぬ権力抗争の姿だ。
鳩山の「攘夷論」から、安政大地震ならぬ東日本大震災を経て、今はドジョウの大獄だろうか。今度は幕府対、雄藩の対決に流れていくようだ。先は全く読めない。
「維新八策」に、政治家や評論家は口を揃えて、憲法改正など、そんなに簡単にできるわけが無い。と言っている。
船中八策の大政奉還と、現代の憲法改正。一体どちらが、途方もないことだろうか。
憲法改正に走ることは非常に危険なことだ。
しかし、「簡単にできるわけがない」と考えて、憲法改正どころか、何も行動を起こさない政治の世界に、既に国民はウンザリしている。
「支持政党無し」が、ほぼ50%に達しているにもかかわらず、相変わらず、「政権奪取」などと寝言を言っている人々に対し、国民は「もう総替えしかない」と爆発寸前だ。 議会制民主主義が機能していないのだ。
三年前の、最後の望み「政権交代」に裏切られた国民は、このまま行けば、なんでもいいから「ぶっこわせ」を選ぶだろう。平成の「ええじゃないか」だ。
もし、天下がひっくり返るようなことがあったら。その時、誰が最後の官軍になっているかは知らないが、誰でも良い。
たった一つ重要なことは、政治は世界的視野を持った人間で行って欲しい。閉鎖的になりがちな日本の政治は、最低、一年以上の長期海外滞在の経験者によって判断される必要がある。
明治維新の成功は、海外組を尊重したことだったが、大成功の陰で後の朝鮮併合などの失策は、世界的視野に欠ける大勢があったからだ。
現代では、ネット情報などで他国を解ったようなつもりになるから、なお始末が悪い。
世界化していくこれからの世界的視野は、むしろ現地で、他国の感覚や思考法を体得した、「世界の風」を知る人でなければならない。
情報スピードに合わせた、同時理解がなければ、異文化とは正しく渡り合えないし、日本の国の立つ瀬を失うことになる。