CHANGE・CHANGE・CHANGE
オバマ旋風
天王星84年目の「三碧の恐怖」とは別に、
アメリカ初のアフリカ系大統領の持つ意味は、
もっと大きな目で見ると、冥王星250年の周期でもある。
250年前。産業革命もあって、アフリカからの奴隷貿易は廃止の方向に動き始めた。
新技術と産業システムの転換により、脚光を浴びる地域が転換するように、中心となる人種や文明圏も転換する。
古代にはヨーロッパや日本などは辺境だったが、この数世紀の間に文明と文化が成長し、古代文明に入れ替わった。
日本が成長したのも、明治からではなく江戸の熟成期間があったからだ。
何れも、大航海時代が影響している。
約500年間に、冥王星は2周した。
異文化との出会いは力の略奪となり、地球を動かし経済を動かした。
その間に、文明・文化の葛藤の中で人は混ざり合い、人種や民族の認識が変わってきた。
その最先端の「るつぼ」であるアメリカで、白人と黒人の両方の血を引く大統領が生まれた。
オバマの時代がどうであろうと、
これは次の250年を暗示する、象徴的な出来事だ。
大航海時代から、今や世界同時物流のグローバル時代だ。
地域や人種、民族の問題も、大転換を起こしつつある。
今後の250年がどういう世界になるのかは分からない。
良いことばかりではないだろう。
一地方、民族の間で起こっていたことが、世界に拡散されれば、混乱と淘汰は避けられない。
弓や槍で戦っていた時代ではない。地球上には核兵器がある。
同時に、「情報」という理解と誤解の拡散器もある。
世界は、ますます、正しい情報の扱い方が重要になるだろう。
人類が知的理解によって変革を成就するには、あまりにもナイーブ過ぎる。
それでも今、辺境の地でも、環境問題やDNAの知識が行き渡ってきている。知識が増えれば誤解も増えるが、人類全体の認識力は向上する。
地球環境を守る地産地消の生き方を進める一方で、
世界全体に「情報の普遍化」を行き渡らせるインフラ整備、国際協定が、最も急がれるのではなかろうか。