転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



中国語など全くなんの知識もないのだが、
ポゴレリチについて検索し続けて来た御陰で、
私は、中国語、とくに繁体字中国語の面白さに目覚めてしまって久しい。
ポゴレリチが9月に共演する予定の、国家交響楽団のサイトを見ても、
作曲者名・曲目・演奏者名、などがすべて繁体字中国語で書かれていて、
これが、どうにも、オモシロくてたまらないのだ(^_^;。

例えば、「桃女王」が「スペードの女王」であることを昨日紹介したが、
ほかにも、BBSで某氏が指摘して下さったように、
翌日の演奏会のタイトルなど、「悲愴絶響」という、かなりの迫力だ。
演奏予定曲目の中に、チャイコフスキーの「悲愴」が入っていて、
これが最大眼目である、ということだとは思うが、「絶響」とは。
こんなキワマった感じは、横文字では到底、表せまい。
ちなみにポゴレリチが弾く演奏会のタイトルは、
「美麗的回憶」となっているので、「麗しき追憶」みたいな感じか。

歌手たちは、バスやテノール、アルトやソプラノなどを表すのに、
「男低音」「男中音」「男高音」「女高音」「次女高音」「女低音」
などと表記をされていて、これまた、読み方は全然知らないのに、
漢字であるがゆえに、異常にわかりやすいという(爆)。

こういう表記を眺めていると、つくづく、
『ああ、私も、曲がりなりにも漢字を使う言語圏の人間で、ヨカッタ』
と思うこと、しきりだ。
表意文字としての漢字のオモシロさ・可笑しさは、
表音文字でしかないアルファベット語圏の人には、
なかなか、わかって貰えないのではないかと思う。

私が学生だったとき、卒論指導をして下さった言語学の教授が、
「中国が簡体字・日本が当用漢字をつくるときに、
お互いに話し合って共通の略字を考えれば良かったのに」
と仰っていたが、本当にその点は残念だと思う。
言語なんて、使用習慣に従ってそれぞれに分派して行くのは、
ある程度は止められない、自然の流れだとは思うが、
せっかく共通の文字を持っていたのに、積極的に廃止したなんて、
勿体なかったなあと、思わずにいられない。

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