転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



先日、とある殺人事件の公判中に実際にあった話なのだが、
被害者の遺族が、容疑者の男のことを語るのに、
「家族としては、あんな男は駄目だと初めから言っていたんですよ!
なのに付き合うから、結局殺されて!ハンサムならまだしも、禿げてるし!!」
などと証言(?)したのだそうだ。
ブーだから殺人をした訳じゃないぞ?というツッコミはさておいて、
笑えるのは、尋問していた検察官が「つるりんぱ」な人であったということと、
更に、担当判事が「生え際の魔術師」状態だったということだ。
相手の状況を、ちょっとくらい見てから言うたらんかい(^_^;。

世の中に法廷ウォッチャーと呼ばれる人種がいて、
彼らは事件の大きさにかかわらず、まめにいろいろな公判を傍聴しているのだが、
数多くあたれば、さぞかし腹のよじれる証言に出会うことも多かろう、
と私はつい、想像してしまう。

私も、十年くらい前、ときどき裁判の傍聴に出かけていたことがあって、
自分の顧客である依頼人の名前を最初から最後まで間違えて呼んでいた弁護士さんとか、
『ヤ○ザでもいいんです、まじめに働いてくれる人なら』
と娘の彼氏のことを証言した母親とか、
民事の離婚訴訟で証拠物件?と称して「愛の詩」を読み上げた人とか、
それはそれは、オモシロいものや、ひょえ~と思うものに、幾度か出会った。

ところで、これらは公開の法廷での話だから、誰が見聞きしようと自由だった。
だが私が今、少々不安に思っているのが、
2009年から施行される(らしい)、「裁判員制度」のことだ。
選挙権を持つ成人の国民から無作為に選ばれた人が裁判員となり、
裁判官とともに、重大と見なされる刑事事件の評議に参加する。
そして有罪か無罪か、有罪ならば刑はどの程度が適当かを決定することになる。
それには当然のことながら、守秘義務が課される。

しかし。
ぶっちゃけた話、そんな無作為に選ばれちゃった人に、
守秘義務なんて耐えられるだろうか。
公判どころか評議段階から参加したら、どんなにおもろい話が聞けてしまうことか。
ここだけの話・・・、と言って家族や親友にだけ、喋りたくなるのが普通ではないか。
でも、評議の過程で知ったことは一切、外部に漏らしてはいけないことになっている。
うっかり喋ったら自分が有罪。懲役または罰金だ。前科者だ。

これって、どうよ。(私なら)地獄の苦しみだ。

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