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朝鮮新報H・Pより

2012-09-12 | 朝鮮民主主義人民共和国
   平壌宣言から10年、国内の対日世論  

                  「過去清算して正常化を」


【平壌発=金志永】
 
 2002年9月17日の朝・日平壌宣言発表に、国内の人々は大きな期待を寄せた。1990年代初期に「日本政界の実力者」

と目された金丸信・自民党副総裁が朝鮮を訪問し、朝鮮労働党、社会党と共に3党共同宣言に調印したが、日本の総

理大臣が過去の植民地支配に対する「反省と謝罪の意」を公式に表明したのは、この時が初めてだった。

「朝米先行」の公式

平壌宣言発表後の10年間、国内の対日感情は極度に悪化した。

日本は首脳間で交わされた外交文書をないがしろにし対朝鮮敵視政策をエスカレートさせるばかりか、総聯と在日朝

鮮人に対する物理的な弾圧を強行した。日本に暮らす同胞たちに対する迫害は、これまで幾度となく報道されてきた。

国内には、日本の過去の罪科とこんにちの対朝鮮政策の意図的なミスリードを、歴史の一線上で語る人たちが多い。

国内の対日非難の論調は一貫している。日本の政府と政界、メディアが「拉致」問題を極大化させ朝鮮に対する敵対

意識をあおる目的は、両国の関係改善をさえぎることで過去清算に対する日本の責務を回避することだと見ている。

またこのような日本の態度の裏面には、米国の影があると見る傾向も強い。植民地時代の犯罪被害者、朝鮮に暮らす

日本人女性、帰国公民らは90年代の金丸訪朝と「霧散した国交正常化」の経緯を、平壌宣言発表後の10年間との対比

の中で語る。一方で、近年増加傾向にある米国人観光客の朝鮮訪問に追われている朝鮮国際旅行社社長も「どの政党

が執権しようとも、米国の影響を無視して行動することができない国がまさに日本だ」と断言した。

国内でも、朝鮮との関係改善を望む多くの日本国民がいることを知ってはいるものの、平壌宣言の不履行状態が10年

間続く現実は、「朝米関係が進んだ後に日本との問題を扱わざるを得ない」という見方を定着させた。

「あせる必要ない」

日本は数年にわたり対朝鮮「制裁」を延長する措置を取ってきた。国内では、日本の行動が「東北アジアの情勢発展

に逆行し、自ら門を閉ざしている」と映っている。

「制裁の効果を実感する」という声は皆無だ。「朝米先行」の公式を唱える人たちの中に「日本との国交正常化をあ

せる必要はない」という意見は多い。

2012年、新しいリーダーをいただいた朝鮮国内の意気揚々とした雰囲気が、人々の対日観に影響を与えている側面も

ある。「朝鮮は上昇軌道に入ったが、日本はそうではない」など、両国の前途を対照的に見る向きもある。

いま東北アジアにおける力学構図が急速に変化しているが、過去清算を回避し歴史を歪曲しようとする日本は領土問

題で周辺国との葛藤を生み「孤立化」を深めている。強制連行、日本軍性奴隷制をはじめ植民地時代の犯罪被害者と

その遺族たちは、「日本の罪科を一つひとつ、最後まで清算させていく」と一貫して主張している。関連団体では「

人道に対する犯罪に時効は適用されないというのが国際社会の普遍的認識」だとしながら、他国との連帯と共同行動

をも視野に入れている。

日本の旧態依然とした対決姿勢は、現状打開を図るよりも原則遵守を重視するべきだとする国内世論を高める結果を

生んだ。宣言不履行から10年を迎えた現時点で、「日本が過去清算のための実質的な措置を取る前には、国交正常化

をしなくてもよい」とする強硬論が大勢を占めている。

外務省関係者は「われわれは対日関係で、人民と在日同胞たちが納得し得る決着を見なければならない」という言葉

を繰り返し口にした。

(朝鮮新報)