社会保険法の制定へ
中国全人代委員長 行政への監督も
【北京=山田俊英】
北京で開かれている中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で呉邦国全人代常務委員長(国会議長)が9日、今年の立法活動について報告し、社会安定のため福祉分野の立法や行政に対する監督に力を入れる方針を明らかにしました。
中国共産党は2010年までに「中国の特色ある社会主義法体系」をつくることを目標に掲げており、呉委員長もこのことを指摘しました。「わが国には雇用、社会保障、所得分配などで社会矛盾が少なくない」として今年の立法活動の第一に社会保険法の制定を挙げました。
また、行政強制法の制定や行政監察法、予算法の改正によって権力の執行を法に基づいて厳格に進める仕組みづくりを提案しました。
公聴会などで立法過程への国民参加を増やすほか、立法活動に対する国民の事後評価制度を試験的に実施する考えも示しました。
一方、政治制度については「わが国の人民代表大会制度と西側資本主義諸国の政治体制は、本質的に異なる」と指摘し、直接選挙や複数政党制を今後もとらないことを強調しました。