「武器を捨てろ」8000人がデモ
独ベルリン
【パリ=島崎桂】ベルリンで8日、各地で続く紛争や暴力の停止、世界的な軍縮や核兵器廃絶を求めるデモが行われました。「武器を捨てろ」を合言葉に行われたデモは、ドイツの複数の平和団体が共同で呼びかけたもの。賛同する市民や労組、ドイツ左翼党など左派政党や環境政党の代表ら約8000人が参加しました。
ドイツ政府は近年、武器輸出の規制緩和や軍備の人的・物的拡大を推進。外国への潜水艦などの売り込みも進めています。紛争地帯の中東やアフリカ諸国には、米国やフランスとともに軍隊を派遣するなど、軍事的な関与を強めています。
デモ隊は、「戦争と軍事介入に反対」などと書かれた横断幕やプラカードを手に、連邦議会(下院)前や独首相官邸前を行進。「紛争ではなく協力を」「社会後退ではなく軍縮を」と唱和し、各国に展開中のドイツ軍の撤退や、北大西洋条約機構(NATO)がドイツ国内に配備する核兵器の撤去を求めました。
参加者はデモ後、ベルリン中心部のブランデンブルク門前で集会を開き、平和団体や政党の代表らが平和実現への行動を呼び掛けました。一部の参加者は、戦火を逃れて欧州入りした中東やアフリカからの難民が「民族主義や差別主義の標的になっている」と主張。独政府に対し、難民の権利尊重や紛争解決への政治的・経済的協力を求めました。