日本に強制徴用された朝鮮人労働者の遺骨115体、70年ぶりの帰還
70年前に日本に強制動員された道を遡る
韓日市民が100体以上の返還を推進
1997年から7回にわたり共同で遺骨発掘
東京経て20日、坡州追悼公園に安置
北海道に連行され強制労働で犠牲になった朝鮮人の遺骨115体が14日午後、「遺 骨奉還東京追悼会」が開かれた東京の築地本願社に到着した。18日に釜山を経由して韓国に入国し、20日に京畿道坡州にあるソウル市立追悼公園に安置され る予定だ=東京東京/連合ニュース//ハンギョレ新聞社
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「安倍政権は集団的自衛権などに関心を持っているだけで、遺骨問題には全く関心がない。市民たちのこのような連帯が、これから国を動かしていけたらと思う」
14日午後6時、東京中央区築地本願社(本願寺)。北海道各地に保管されていた朝鮮人強制徴用犠牲者115人の遺骨奉還追悼会の演壇に上がった池田行信 「遺骨奉還東京追悼会」共同代表が述べたのは、日本に連れて来られ過酷な労働を強いられた末に亡くなった朝鮮人たちの遺骨返還に対する国の責任だった。池 田代表は「2004年、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と小泉純一郎首相が会って遺骨返還に合意した後、日本全域にある朝鮮人たちの遺骨に対する調査が行わ れたが、それ以降、遺骨の返還が実行されていない」と指摘した。韓日両国政府は、2008年から2010にかけて東京の祐天寺に安置されていた朝鮮人軍人 や軍属の遺骨423体を奉還したものの、後続の作業に着手していない。
解放後70年ぶりに帰国の途に就いた北海道の朝鮮人115人の遺骨が14日、東京に到着した。11日に北海道深川市の一乗寺から旅程を始めた彼らは14 日に東京に到着し、京都(15日)~広島(16日)~山口(17日)などを経て、18日に釜山(プサン)に上陸する予定だ。70余年前の朝鮮人労働者が釜 山で関釜連絡船に乗って下関に到着した後、日本を横断して北海道に行ったルートを遡っていくのである。彼らの遺骨は19日、ソウル市庁前広場で開かれる追 悼行事を経て、20日、京畿道坡州(パジュ)龍尾(ヨンミ)里にあるソウル市立追悼公園に安置される。
100体以上遺骨が70年ぶりに故国に帰ることなら当然、日韓両国政府が積極的に乗り出しそうだが、現実はそうではない。国が責任を放棄した隙を埋めたのは、韓日両国市民たちの友情だった。
今回の遺骨奉還は一乗寺の住職殿平塚善彦氏(69)とチョン・ビョンホ漢陽大学文化人類学教授の縁から始まった。 1989年に寺で行われている共同育児保育園を研究するために一乗寺を訪れたチョン教授は、殿平住職を中心に1976年に作られた「空知(深川市周辺地 域)民衆史講座」の活動を耳にする。深川周辺の朱鞠内では、1940年代に森林資源を運ぶための名羽線鉄道と雨竜川にダムを作る大規模な土木工事が行われ た。この工事に動員され犠牲になった朝鮮人や中国人の被害事実を知ったこの地域市民たちは、北海道に残っていた在日朝鮮人1世の故チェ・マンジンさんなど の助けを借りて、20年近く遺骨を発掘して遺族を確認する活動を行ってきた。
彼らの活動に感動したチョン教授は「韓国の学生を集めて発掘作業を手伝う」と約束した。その結果、1997年から韓日の若者たちの中心となった「東アジ アの平和のための共同ワークショップ」(以下ワークショップ)が結成され、最初の遺骨発掘が行われた。それ以降、韓日の若者たちは、共にワークショップを 開いて、7回も遺骨を発掘し、不幸だった歴史的経験を克服して互いを理解する交流の歴史を積み重ねることになる。
この日の追悼式には遺族など韓日市民約300人が参加した。 1944年北海道で強制労働の途中に亡くなったキム・イクチュンさんの甥であるキム・ギョンス氏(65)は、「70年はあまりにも長い時間だ。今回の送還 が市民たちの力だけで実現したことを遺憾に思う。日本政府と関連企業の謝罪と補償が伴わなければならない」と述べた。殿平住職も「このような遺骨返還は、 日本政府と企業がやるべきことだ。これまでの交流を通じて積み重ねてきた両国の若者たちの友情と人間関係が、今回の奉還を可能にした」と述べた。
チョン・ビョンホ教授も「韓国が解放されて70年になる年の秋夕(中秋節、今年は9月27日)を迎え遺骨を故郷に返すために、この行事を企画した。この 問題を単に被害者、加害者の関係ではなく、強制労働という人類に対する普遍的な犯罪という観点から捉えなければならない。韓日の若者たちはこのような認識 に基づいて、真の和解を模索し、未来を語るようになった」と述べた。北海道新聞などの報道によると、現在日本全国に残っている朝鮮人の遺骨は1014体に 達する。
東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2015-09-14 19:34
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/708817.html 訳H.J