「金正恩による金正恩のための」党大会、36年ぶり開幕
2016年05月06日14時18分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
第7回朝鮮労働党大会が6日に開幕する。金日成(キム・イルソン)主席時代の1980年の第6回党大会以来、「金正日(キム・ジョンイル)時代」を越 えて36年ぶりに開催される行事だ。このため「金正恩(党第1書記)による、金正恩のための党大会」と呼ばれている。
◆なぜ労働党大会を開催する?
北朝鮮は党が国家より上だ。北朝鮮の憲法は「朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮労働党の領導の下ですべての活動を進める」となっている。 その党の最高機関が労働党大会だ。党規約14条1項は「労働党大会は党の最高指導機関」としている。党大会が最高意思決定機構という意味だ。党大会は▼直前の党大会から現在までの党事業の総和(決算)▼党の路線および政策方向の提示▼党機構および権力構造の再編--などのために開かれる。
北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「今回の大会は金正恩時代に入って持続的に行われた『党の正常化および強化』という 脈絡で見る必要がある」と述べた。金正日総書記は「先軍思想」を前に出しながら国防委員会を中心に統治したが、金正恩は党中心の統治を強化する可能性があ るということだ。
◆党大会をどう準備?
北朝鮮は昨年、党創建70周年(10月10日)記念行事を開いた後、「第7回党大会を2016年5月初めに招集する」と決定した。その後、内部的に2月下旬から今月初めまで「70日戦闘」を督励した。特に党大会を控えて対外的には▼1月6日の4回目の核実験▼2月7日の長距離ロケット (ミサイル)発射▼4月23日の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射--などをしてきた。
北朝鮮は正確な開催期間と場所を公開していないが、統一部は6日から3、4日間の日程で平壌(ピョンヤン)4・25文化会館で進行さ れるとみている。米国自由アジア放送(RFA)は5日、約3000人の参加者が4・25文化会館に集まって予行演習をするという日程が出ている、と報じた。労働新聞は党大会の前日の5日、「意味深い日が迫った」「どれほど大きな激情と歓喜で沸き立っているだろうか」と雰囲気を伝えた。
◆過去の党大会では何をした?
解放直後の46年8月に開かれた第1回党大会では綱領と規約が採択された。48年3月の第2回党大会では党規約の一部が修正された。 韓国戦争(朝鮮戦争)後に開催された56年4月の第3回党大会では抗日闘争の伝統の継承を強調しながら金日成単一指導体系の土台を築き、61年9月の第4 回党大会では金日成単一指導体系が確立された。当時、5・16クーデターを批判する内容の対南宣言文(「祖国の平和的統一のために」)も採択した。
70年11月2日から13日まで12日間続いた第5回大会は日程が最も長かった。「主体思想」を党規約に追加し、唯一思想体系を確立した。80年10月に開かれた第6回大会では、金正日が党中央委員会政治局常務委員に選出され、公式的に後継者に確定した。
統一部の当局者は「今回の第7回党大会で北が金正恩の治績を称賛し、金日成・金正日水準の偶像化を図るだろう」と話した。世代交代と ともに金正恩の妹・金与正(キム・ヨジョン)党宣伝扇動部副部長が部長(長官級)に昇進する可能性があるという見方も示した。内容的には党規約を改正しな がら「唯一領導体系10大原則」と「核保有国」を明示する可能性も高いと、情報当局は分析した。金日成時代の主体思想→金正日時代の先軍思想に続く金正恩 時代のアジェンダが登場する可能性もある。