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2016-05-14 | 世界を知る

“対話を通じた新しい平和文化を”/ノーベル賞受賞者らが訪朝

大学生らと学術交流、座談会

【平壌発=金里映】朝鮮平和擁護全国民族委員会と国際平和基金の共催による「平和と発展のための国際学術交流」が2~5日、平壌で開かれた。国際平 和基金メンバーらと朝鮮の教職員、大学生らとの座談会および学術交流が、金日成総合大学(5月2、3日)、金策工業総合大学(4日)、平壌科学技術大学 (5日)でそれぞれ行われた。

平壌で行われた「平和と発展のための国際学術交流」

平壌で行われた「平和と発展のための国際学術交流」

活発な交流

今回の交流事業には、国際平和基金の代表らとノーベル賞受賞者らが参加した。国際平和基金は、オーストリア・ウィーンに本部を置く国際NGOだ。訪 朝したノーベル賞受賞者は、イスラエルのアーロン・チェハノバ氏(2004年、化学賞受賞)、ノルウェーのフィン・キドランド氏(04年、経済学賞受 賞)、イギリスのリチャード・ロバーツ氏(93年、医学生理学賞受賞)ら3人。

代表団は4月29日に平壌に到着した後、主体思想塔、テコンドー聖地館、科学技術殿堂、玉流児童病院などの市内各所を訪れた。

各大学で行われた教職員、学生らとの座談会、学術交流では、ノーベル賞受賞者らが「細胞の最も重要な循環過程の一つであるタンパク質の正常な退化」 (アーロン氏)、「産業循環と巨視経済政策」(フィン氏)、「細菌性DNAメチル基転移酵素」(リチャード氏)についてそれぞれ発表した。

フィン氏による報告

フィン氏による報告

2、3の両日、金日成総合大学で行われた学術交流は、通訳なしの英語で行われた。質疑応答も同様に英語で行われ、同校学生らは、各々の専攻分野に関 する質問を中心に、ノーベル賞受賞者らに積極的に様々な質問を投げかけた。ある男子学生は「科学者としての生涯とはどういうものか」と質問し、他の女子学 生は医学研究に関して一度では足りず再度質問したりした。

ノーベル賞受賞者に質問する学生

ノーベル賞受賞者に質問する学生

ノーベル賞を受賞するまでの自身の経験について話したリチャード氏に対し、生物学が専攻のある男子学生は、「今後、何を研究すべきか悩んでいる。あ なたならどんな研究テーマを選びますか?」と質問。リチャード氏は、「研究とは、他の誰かの指示に従うものではない。自分が好きなこと、没頭できるテーマ を探すことが大切だ」と答えた。

座談会終了後、アーロン氏は、「学生たちの英語のレベルは完璧だったし、彼、彼女らが提起した質問も非常に深度と幅があった。学生らの姿から、新し い科学の世界に対する向学心が感じとれた」と感想を述べた。また、「今回朝鮮を訪れ、この国の現実について知ることができた。他国による朝鮮に対するネガ ティブキャンペーンによって、朝鮮についてよくわからなかったが、直接足を運んではじめて朝鮮について知ることができる、百聞は一見にしかずということを 痛感した」と話した。

“平和のため、共同の礎を”

国際平和基金は過去14年間、ユネスコと主要大学および学校75校を含む145の団体と協力して、「交流の橋―平和文化のための対話」という取り組 みを実施してきた。これまで48人のノーベル賞受賞者をはじめ20人の報告者と芸術家らが、682回にわたってこの取り組みに参加し、約18万人と交流を 深めた。そのうち、ほとんどが大学生だ。

教職員、学生らと交流を深めた

教職員、学生らと交流を深めた

「交流の橋」は、多様な文化と社会制度、信仰が共存するアジア諸国と世界各国の人々との対話・連携を深め、理解と信頼を促進することを目的としてい る。同時に、ノーベル賞受賞者らを通じ、彼らが在籍する大学とアジアの様々な団体との間の長期的な関係を維持し、共同研究計画や各種の協力活動を行うこと を目的としている。

国際平和基金のモラヴェッツ氏

国際平和基金のモラヴェッツ氏

国際平和基金のモラヴェッツ氏は2日に行われた開幕式で、「『交流の橋』は、平和と発展の礎である科学技術と教育を強化し、地域の平和と安全を促進 するための協力事業を、未来の主人公である若者たちの積極的な参加のもとで、有意義に進めていく」と述べた。そして、「今回の行事が、平和の礎は教育であ るという新しい理解を持つことによって、戦争と武力衝突がないことだけを持って理解されてきた平和の概念を越え、対話を通じた新しい平和文化の創造に大き な力となれば幸いだ」と話した。

金日成総合大学のテ・ヒョンチョル総長兼高等教育相は、5日に開かれた閉幕式で、「今回の行事は科学研究と教育に知恵と情熱を注いできた各大学の教 職員、科学者、研究者、学生たちに強い印象を与えた。世界的規模の相互交流と協力を発展していく確固たる意向を実証してくれた、重要な契機となった」と し、「今日の学術交流はここで終わるが、平和と発展を志向する科学的探求と努力は続いていくであろうし、世界の平和を愛する人々と力を合わせ、人類文明の 宝箱をよりいっそう豊かにしていく所存だ」と抱負を述べた。

(朝鮮新報)