京丹後 米軍、基地工事を強行
Xバンド配備 住民が怒りの行動
京都府京丹後市・経ケ岬への米軍レーダー(Xバンド・レーダー)基地建設をめぐり、米軍が27日早朝、建設工事を強行したことに対し、住民が怒りの抗議行動を繰り広げました。
防衛省は工事着工を前日の26日昼に突然、府・市に通告。工事概要や車両数、経路など安全に関わる説明は、住民をはじめ府・市にもいっさい行っていません。
午前9時、用地造成がすすめられるなか、建設地前では住民ら約100人が横断幕を掲げ「住民置き去りの米軍基地建設強行を許さないぞ」「日本を戦争する国にするな」と唱和しました。
京丹後市が設置する基地対策室には住民50人が駆けつけ、岩英史室長に「前日の連絡でなぜ市長は抗議しないのか」「今後、事故や事件にあったとき不安だらけだ」などと抗議し、工事中止を求めました。
「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の三野みつる代表は「本当に悔しい。国、府、市とも日米地位協定の前には無力で、米軍には何も言えない。引き続き配備の撤回を求めていく」と話しています。
レーダー配備は、昨年2月の日米首脳会談で決定。完成すれば、国内では133番目、近畿では唯一の米軍基地となります。10月にレーダー搬入・試運転、12月の稼働をねらい、米軍人20人、米軍属140人が配置されます。
同日の行動には、日本共産党の加味根史朗、原田完の両府議が参加しました。
中止・撤回を
日本共産党 倉林明子参院議員
工事着工強行は、許しがたい暴挙です。説明会を重ねるほど「米軍基地はいらない」という住民の声が広がりました。米軍は自ら実施を定めた環境影響調査さえ実施せず、防衛省が実施した事前の「調査」の公表すらしていません。住民を愚弄(ぐろう)した対応に怒り心頭です。
安倍政権が集団的自衛権の行使容認とセットですすめる基地建設は、住民の命を危険にさらすものに他なりません。工事は中止し、計画の撤回を求めるものです。
Xバンド・レーダー 弾道ミサイルの探知・追尾を行う早期警戒レーダーで、米軍の「ミサイル防衛」システムの一環です。2006年に青森県つがる市の航空自衛隊車力分屯基地に配備されたのに続き、国内で2基目となります。