朝鮮儀軌など1205冊返還
日韓首脳会談 協定文書に調印
菅直人首相は14日、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領と会談し、日本が朝鮮半島を植民地支配した時期に持ち出した「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」 など朝鮮半島由来の図書1205冊を韓国側に引き渡すことで合意しました。会談後、両首脳が立ち会う中、前原誠司外相、韓国の金星煥(キム・ソンファン) 外交通商相が、引き渡しのための協定文書に調印しました。
「朝鮮王朝儀軌」は、朝鮮王室の儀式や国家行事を絵と文章で記録したもので、1922年に朝鮮総督府によって持ち出されました。現在は宮内庁書陵 部に保管されています。韓国の国会や民間団体などが略奪されたものだとして返還を要求。菅首相は、8月に発表した「韓国併合」100年にあたっての談話で 韓国側に引き渡すと表明していました。
首脳会談で、李大統領は「図書の返還が韓日関係の画期的変化の出発点になる」と述べ、日本側の努力に感謝を表明。菅首相は、「未来志向の関係を強化していく上で重要な基調を築くことができた。国会手続きを経て、近くお渡しできるよう努力したい」と述べました。
協定文書は、「発効後、6カ月以内に引き渡す」と規定。協定の発効には、国会での承認が必要です。
両首脳は、日韓シャトル外交の継続でも合意し、菅首相が李大統領の来日を要請。李大統領も前向きな姿勢を示しました。