北朝鮮の「衛星」打ち上げ
各国は自制求める
北朝鮮が人工衛星を打ち上げると国際海事機関(IMO)など国際機関に通告しました。発射時期は四日から八日の間だと報じられています。
北朝鮮は二月十六日、朝鮮中央通信で人工衛星打ち上げの可能性を示唆した後、朝鮮宇宙空間技術委員会スポークスマンの談話(同二十四日)で、実験通信衛星「光明星2号」を運搬ロケット「銀河2号」で打ち上げる準備を本格化させていることを正式に表明していました。
北朝鮮は二〇〇六年に弾道ミサイルを発射し、強い国際的な非難を浴びました。このとき国連安全保障理事会は、弾道ミサイル計画の全面停止を求める決議一六九五を採択しました。
公海に達するミサイルやロケットの発射は航空機や船舶に危険を及ぼすため、北朝鮮も加盟するIMOと国際水路機関(IHO)の総会決議(九一年)などに基づき事前通報が必要です。〇六年の発射は事前通報もないもので、国際合意にも反するものでした。
今回は事前に通報したという点で前回とは変化があります。また、北朝鮮側は「宇宙開発はわれわれの自主的な権利」「平和的な科学研究活動」とも主張しています。
六カ国協議の議長国である中国の楊潔篪(ようけつち)外相は二月二十四日の中韓外相会談で「各国が朝鮮半島の安定に寄与する行動を取るよう期待する」と述べ、間接的表現で北朝鮮に自制を促しました。
日本、米国、韓国は、人工衛星の打ち上げであっても、国連決議違反になると批判しています。
ロシアのラブロフ外相は、ロケットの種類を見極める必要があると述べたことが報じられています。
(田中一郎)