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羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

野口体操・波の動き~「立」

2006年10月10日 13時32分15秒 | Weblog
従来の体操には、「伝えられて動く」という発想は、少なかったかもしれません。その視点から見れば、「波の動き」とはいったいなんだ? ということになるかもしれません。

では、からだのある一点に注目してビデオ映像を見てください。
「腰」でも「肩」でも「頭」でも、どこでも結構です。「円」「丸」を描いて動いているのが見えるとおもいます。「丸」といっても、十五夜お月様のような「まん丸」ではありません。ゆがんだ円形を描いています。

ここで登場するのが初歩の物理です。
「ある部分が円・丸を描くと、全体としては波の動きになる」わけです。
この映像は、立っている状態で円を描くと、全体として波の動きになります。
波は循環し、そして渦になります。

ところで昨日の「腕立てバウンド」もまた「全身が波になる」でした。
落ちる動きによる作用に対し、反作用をもらってバウンドさせています。しかし実際には上下動に見えたとしても、からだの中で起こっていることは、弾みをもらいつつ、部分では変形された丸・円を描いています。
全体として「波」になるわけです。

円を描く動き・波を描く動き・渦を描く動きの感覚は、滑らかな動きを求めるときに忘れてはならない感覚です。

若き日の野口三千三先生は、こうした滑らかさが命の動きを説明されるとき、「合理的な動き方」といった表現をなさっていました。
晩年はほとんどその言葉を聞くことがなくなりました。
しかし、「円・波・渦・螺旋」といった動きのイメージを、ダイレクトにからだに注入し、浸り、味わうことを大切にされておられました。

「立って波を描く」今日の動画は、野口体操の動きの基本です。
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