羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

オリエンタル賛歌

2006年02月24日 12時54分37秒 | Weblog
 輝石のなかでもトルコ石とラピスラズリーに代表されるブルーは、二色が寄り添って水惑星地球を象徴する。
 片方だけでなくお互いの色を重ねるのは、やわらかく心地よい色へと変容させる魔法のコーディネートだ。
 そして、もう一色、第三番目の色が加わると、それは完璧な色合い(色愛)となる。

 今朝は、その三色に、十分酔わせてもらった。
 トゥーランドットの和声と旋律に、トルコ石の鮮やかなブルーとラピスラズリーの華やかな藍色が、銀盤上で舞うのを見続けた。
 どれほどの棘を乗り越えたのだろう。
 幾たびも挫折感を味わったという。
 それでもあきらめないことと引き換えに微笑をお預けにしてきた女王は気品に満ち、優勝が決まった瞬間すこしだけはにかみながらも、満面の笑みを画面いっぱいに見せてくれた。

 総合芸術としてのフィギュアスケートは、憎いほど西洋の芸術だ。
 体型しかり、表情しかり、衣装しかり。
 技術も振り付けも音楽も、西欧の美の結晶が生み出す芸術である。

 ところが今回のトリノでは、幸運の女神は、オリエンタルな終着駅・極東の果てに位置する黄金の国・ジパングへ、一直線で突き進んできてくれた。
 危なげなく、確実に、安定して、尊厳に満ち、麗しき荒川静香の下へ、ヴィーナスは訪れた。

 トルコブルーとラピスラズリーに、三色目はゴールドである。
 この三色は、古代オリエントの美の象徴の色である。
 ゴールドが、東洋に降り立った記念すべき日、2月24日早朝、氷の女王に荒川静香が輝いた瞬間を、魂を震わせながら見守った。

 今日は、ゴールドの輪が、ついに東洋に降り立った記念すべき日となった。

コメント
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