羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

怪我の功名

2006年02月10日 12時11分01秒 | Weblog
 今朝、不注意から左手の中指を木戸に挟んでしまった。
 そのときは、寒さに凍えていて、痛みをあまり感じなかった。しばらくして手が温まってきたら、なんとなく痛くなってきた。たいしたことはなさそうだ。

 朝の仕事を終えてから、右手だけの「片手練習」に切り替えてピアノを弾いた。
 それから体操をしたのだが、そのとき、ふと、思い出したことがある。
「それを試してみよう」
 野口先生が60代に入院されたときのこと。

 野口体操に「腕まわし」という動きがある。「ひれ伏す動き」というのもある。
 この「腕まわし」の時には、名前の通り大きく動いて見えるのは肩や腕だ。
 そして「ひれ伏す動き」というのは、肩関節から腕全体が伸ばされていく意識がはっきりしている。実際のところは、まるごと全体、つまり全身がかかわって動きが成り立つのだけれど。とりあえず、表面に現れていることだけを取り出せばそうなる。

 で、入院中の先生は、人気のない階段の踊り場や、屋上に上がって体操をされていたことがあった。
「腕まわしの基本は、片手練習だってことに気付いたの。片手の場合と両手の場合とでは、刺激されるところが変わるのよね」
 たずねていった私に、そう話しながら、「腕まわし」を見せてくれた。
「エッ、腕がスポット抜けるみたい」
 落とされた瞬間に、肩から腕にかけての重さで、腕全体が伸ばされていく様子が、みごとに見て取れた。
「やっぱり、片手だよ」

 それからしばらくして退院後のレッスンでは、この体験が生かされて、片手・片腕・片肩に焦点をあてておられた。
 一方「ひれ伏す動き」の場合も、同様に片腕を伸ばしながら、その伸ばされた腕の元「片肩関節」に重さをかけていきながら、ほぐす意識をちょっと持つだけで、伸ばされ方の実感が変わってくる。片方ずつを丁寧に味わってから、両手・両腕・両肩が伸ばされる感覚を丁寧に味わうと、それはそれは頸まで伸びやかになって、いい気持ち! なのだった。

 そうなのよ。右半身と左半身を分けて味わうことは、基本の「基」なのだった。
 ピアノも同様に、片手練習を怠りなく、というわけだ。

 このことは、人間の動き・動くときのからだの感覚、意識化の問題にとって、とても大事なことを潜めていることかもしれない。

 ぜひ、丁寧に片方ずつやってみていただきたい。
 今朝は、これぞ「怪我の功名」なんて、強がりを言ってみたりして。
 すっかり忘れかけていたことを思い出させてもらった。

 さて、このこととは直接の関係はないと思うのだが、「やじうまプラス」っていうテレビ朝日番組で、毎朝「星座占い」を放送している。
 今朝は、「おひつじ座」は、いちばん悪い運気だったことを思い出す。
「当たるも八卦・当たらぬも八卦」なのだが、よくない運気が出たときは、気をつけたほうがいいらしいという教訓ももらった。

 因みに、私の誕生日は、4月8日、釈迦の誕生日にして花祭りにして潅仏会なので、一度覚えていただくと、忘れにくい日。
コメント
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