羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

楓糖蜜

2005年10月29日 07時36分00秒 | Weblog
 カナダ特産の「メープルシロップ」を煮詰めて、雪の上にかけて凍らせ、棒に巻き取って食べる「メープルシロップ・スノー・タフィー」の記事を読んだ。
 ふと、思い出したことがある。

 20数年前のこと。
 マサチューセッツ州・北欧系の人々が住む地域に移住していた友人から、楓糖蜜(メープルシロップ)をもらった。この地域、冬には氷点下20度以下の日々が続くのだという。越冬という言葉が生きているところ。お金持ちは、避寒旅行に出かけて、暖かくなるまでそちらで過す。その間、友人は留守を預かるアルバイトをして、生活費を捻出するのだと手紙に記してきたことがある。
 
 その友人が、せっかくアルバイトで稼いだ貴重なお金で買ったシロップだ。
 ありがたく頂戴しよう。
 アメリカ映画の一シーンをまねて、ホットケーキを焼き、バターを乗せて、このシロップをかけ、フォークとナイフで食することにした。
 小口に切ったケーキを含み、キュット噛みしめると、バターの塩気を含んだ甘さと樹液の匂いとともに少し苦味のある甘いシロップ液が、ジュァ~ッと口の中にひろがった。

 さらに、遡って思い出したことがある。
 たしか、昭和30年代後半、中学三年の夏休み前だった。
「風と共に去りぬ」をクラスで回し読みし、ビビアンリー・クラークゲーブルの映画も、友人と連れ立って見に行った。子供と大人が同居した時代だった。
「南部は、ホットケーキのないアメリカなの???????。。。。。。。。」
 映画の帰り、友人が言った。私たちは、屈託なく笑った。
 その日は、友人を連れて家に帰り、ホットケーキを焼き、楓糖蜜もどきの蜜をかけて、ほおばった記憶が甦った。
 当時、アメリカとホットケーキは、単純に結びついていたのだった。
 
 そういえば、あれ以来、ホットケーキを焼いていないなぁ~。
コメント (3)
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