羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

時間の味

2005年10月27日 07時53分03秒 | Weblog
 ずっと気にかかっているお惣菜がある。
「何年、作っていないかしら」
 食べる人が減ったことが、作らなくなったひとつの理由かもしれない。
 これはある程度、たくさんつくらないと、時間がもったいない。
 どこの家庭でも使われている電子レンジや、圧力釜で調理すれば、時間は短縮できることは明らかなのだが。
 その方法に踏み切れない「何となくのこだわり」があるからかもしれない。
 とにかく半日近くかかってしまう。
 
 上手にできたときには、美容にも健康にも、なにより食したときの満足感がいい惣菜である。
 ねっとりとこっくりとした味わい。さめてかたまって「にこごり」状態になってもいい。熱いご飯の上にのせると、じわぁ~っと溶けて、ご飯に味がうつるのもまたよし。

 この惣菜の名前を知らない。誰に教わったのかも、今となっては定かではない。知ってから20数年はたっている。 
 以前は月に一回は、つくっていたのに。
 では、作り方を。

材料:国産の丸い大粒大豆150グラム・トリの手羽12本くらい。注:手羽先というのか手羽元というのか、名称がはっきりしない。←ごめんなさい。骨付き。
生姜・ねぎの青いところ。 
調味料:醤油・砂糖・酒

作り方:
●前日の夜に大豆を水に浸しやわらかくする(缶詰もあるが、この場合おすすめしない)。翌朝、たっぷりの水で大豆をゆでること2時間。
●最初にあくが出てきたら、丁寧にあくとりをおこなう。水が減ったら、足しながら、常に大豆に水がひたひたした状態を保つ。
●1時間くらいたったところで、別の鍋でトリの手羽を一度湯がいて、改めて水に酒を加えてからゆでること30分。このとき生姜とねぎの青いところを臭み消しに入れる。
●大豆の方は、鍋の底を惣菜箸でかき混ぜてみて、ごろごろいう感じがしたら、まだ茹でたりない
●茹で上がっているかどうかの目安は、小指と親指に大豆をはさんで、グズッと崩れるようになっていたらOK。そこでゆで汁を捨てる。すこしだけ別にとっておいて、手羽と最後の味付けをするときに足してもいい。
●そこに手羽を茹でた汁を濾しながら、手羽と大豆を合流させる。
●大豆と手羽に、たっぷりかぶる程度ゆで汁をいれる。そこに醤油と砂糖を加える。さらにお酒は加減をみながら、適宜の分量で加えてもいい。お酒を入れることで、もっと味にこくが出る。にこごりを作りたいときは、汁を多めにする。
●中火より弱火に近い火加減でコトコト煮ること25分~3・40分くらい。

材料は単純、料理の腕も問われない。ただし、様子をみる感性は必要。焦げ付かせないようにだけ注意。

 手羽の肉は骨からするりとはがれ、大豆はとろりと煮崩れる手前。
 この惣菜は、時間を食べるって感じ!
 
 でも食卓に並ぶときには、その時間に他にも作ることが出来るので(たとえば:野菜の煮物・酢の物あるいは和え物・吸い物・デザートには栗の茶巾絞り等々)、結構、豪勢な雰囲気になること請け合い。
 大皿にたっぷり盛って、取り分けて食べるほうが、おいしい。
 旬の魚の塩焼きがあるとバッチリですぞ!
コメント
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