羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

秋の新学期・鞭の音

2005年10月02日 07時58分37秒 | Weblog
 一年に二回、春と秋に新学期を向かえる、と私は思っている。
 そう思えるのは、ひとつは大学の授業が、前期・後期、春学期・秋学期、とわかれていることが大きい。そして、カルチャーセンターも暑い夏を越えて、9月でひとつの区切りついて、改めて10月という感じがしているからに違いない。
 
 昨日、土曜日クラスは、何年ぶりかに「野口鞭」を鳴らしてみた。
 野口先生から戴いた鞭は、私のからだの大きいさに合わせてつくられている。
 しかし、レッスンの間も終わってからも、背丈の異なる何人かの方が、次々に鳴らすことに挑戦されていた。

 やってみるとわかるのだが、音を鳴らすのは、あんがい簡単ではない。
 時に力づくで、強引に鳴らしてしまう方もおられる。
 余分な力を使わずに、野口先生直伝の「鞭の軌跡」を通すやり方は、結構、難しい。
 とにかく「リズム感」である。これがつかめると難無く乾いたピシッとした音が響いてくれる。
 清涼感のある鞭の音は、打つ人の動きにかかっている。同じに音がしても、恐怖感を抱かせる音・気合が入りすぎて濁りがある音、等々、音にもいろいろな質感覚・クオリアがあるのだ。

 聴覚にプラスして視覚の面からも、鞭の先についている麻が、鳴るたびに切れて空中を舞う姿に、ある感興がそそられる。 
 はらはらと舞う麻の繊維は、鳴っている音と裏腹に、幽そけく儚く淡いものである。そのコントラストもまた鞭の魅力である。

 野口体操の原理を見せ・聞かせ・味わわせる鞭は、野口三千三独自の工夫によるひとつの作品であるといえるだろう。

 どこかで麻を見つけてこなくちゃ!
コメント
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