萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

呑み処徘徊  第六回 「三州屋」

2008年06月11日 | 呑み処徘徊

<東京は銀座のど真ん中にその店はある>


<壁に張り付いたメニュー。どれも美味しそうで困る。>

 銀座プランタンの北側、並木通りを少し奥に入った所にその店はあった。昼間から開いている居酒屋ということで、小生のような酒好きオヤジの溜まり場かと思っていたら、さにあらず。場所柄、20代~30代の女性が買い物に来たついでに、昼食に使っているようで、若い女性客が多い。女性誌に紹介されているのかもしれない。

確かに魚をおかずとした定食はヘルシーだし、値段もそんなに高くない。また、銀座のど真ん中にある店にしては店内はゆったりして、落ち着ける。給仕をしてくれるおばちゃんたちも気さくだ。

大宮から自転車に乗って、荒川~隅田川土手コースで銀座まできたので(ざっと60kmぐらい)咽が渇いている。当然、生ビールを注文。お通しに「空豆」が出てきた。店内に入ると、まず「お食事ですか、お酒ですか。」と聞かれて「お酒」と言うと「空豆」、「食事」と言うと「ポテトサラダ」が出てくるようだ。

肴に「さばみそ煮」をたのむ。たのんでから、しまったと思った。昨晩、スーパーでサバの味噌煮を買って食べたのを思い出したのだ。だが、出てきた「さばみそ煮」はまったくの別物。まず、香りがいい。その香りに感心しながら、一口いただくと、タンパク質の“うまみ”が、じわっと口の中に広がる。味噌の加減も丁度いい。「昨日食ったのはナンだったのか。」と考え込んでしまった。冷酒「白鶴 樽酒」のほんのりと香る木の香りと“さばみそ”の風味がよくあう。樽酒と“さばみそ”の競演をしばし堪能する。

次に「カモ茄子揚出し」というのが気になったのでたのんでみる。深めの器にこれも風味のいい醤油ベースの汁に茄子の揚出しが浸っている。揚出しというのは茄子であれ豆腐であれ、あの揚出しのギザギザの部分に汁が凍みたところが“醍醐味”だと思っている。その“醍醐味”がこれまた酒と相性がいい。ついつい、杯がすすんでしまう。

ほどよく酔ったところで、折角だから定食を食べることにした。「定食かつを叩き」を選んだ。「鳥豆腐」というスープ付だ。カツオも旨かったがこの鳥豆腐もなかなかだ。買い物客と思える若い女性たちや近所の常連さんで賑わう理由がわかった。平日の昼はきっと長蛇の列ができるぐらいに賑わっていることだろう。今度は友人を誘って夜、呑みに来てもいい店だと思った。

60キロの道のりを自転車で走ってきた疲れもなんのその。

余は満足じゃ。


<これが「定食かつを叩き」だ。これで千円はリーズナブル。>
コメント
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