萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

呑み処徘徊 第五回 「べらぼう」

2008年06月04日 | 呑み処徘徊


5月最後の日曜日。能代は「べらぼう」なる居酒屋に行った。地方の居酒屋はサラリーマンだけを相手にしているわけではないので、日曜でも営業している所がままある。この店もやっていてくれた。ただし、地元の団体のゴルフ&ボーリング大会の打上をやっているところだった。夕方5時半頃入ったのだが、みなさん、かなり、出来上がっていた。4時ぐらいから呑んでいたようだ。

能代の酒好きの皆さんの威勢のいい呑み会を背にひっそりとカウンターに座らせていただく。女将さんがうるさくてすいませんね。と言ってくれるが、居酒屋の騒がしいのは別に気にならない。静かな方がかえって呑みにくい。

日曜日の為かヤツメウナギや比内鶏は切れていた。「がっこ(漬物盛合せ)」「刺身盛合せ」「焼き鳥」「ハタハタ」などを堪能しながら、オリジナル純米吟醸の「うぼらべの酒」をいただく。シメは「だまこもち鍋」だ。比内鶏の出汁がきいていて非常に美味。“だまこ”は半殺しにした飯を団子状にしたもの。キリタンポの団子版である。

団体のお客さんが“中締め”をする為、立ち上がる。締める人の講釈を聞いていると「よく、関東の一本締めと言って、『ヨォー、チャン』で終わる人がいますが、あれは間違いです。あれは一丁締めといいます。一本締めというのは『ヨォー、チャチャチャン、チャチャチャン、チャチャチャン』を一回やるのが正解です。これを三回やるのが三本締めです。」

なるほど。そうだったのか。小生たちもよく「関東の一本締め」とかいって、ヨー、チャンで終わらせている。これは間違いだったのだ。あのヨー、チャンはなんとなく味気なく感じていたが、今度、締めの大役を授かったら、上の口上を小生もやってやろうではないか。勉強になるねー。

団体客が三々五々よろよろと退却した後、ふるまい酒で酔った店の主人が小生の所にきた。地元の人ではないようだから、と前置きして、能代の観光資料をくれるわ、方言⇔標準語のリストをくれるわ、「うぼらべの酒」をなみなみと注いでくれるわの大サービス。結構酔っ払ってしまった。

気のいい店だ。いつかまた来よう、と思って外へ出る。ホテルに戻るべく道を歩いていると大きな交差点の角にジャスコ能代店があった。そういえば、オリジナル純米吟醸の「うぼらべの酒」を店内では「PB(プライベートブランドの略)」と表示していた。何か違和感を感じたのだが、そうだったのだ。量販店文化が雪国の居酒屋にも少なからず影響を与えていたのだ。


<カウンターには主人が作ったのか。“ちょこっと駄洒落”が・・・>

コメント
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