13時からの試合開始を前に食料と飲み物を買出しに近所のスーパーに行くが、いつもと違ってガラガラであった。みんな、甲子園の決勝戦を見るために家に居るのかもしれん、と思った。
待ち構えて楽しみにして観た興南対東海大相模であったが、勝負はあっけなく大差で興南が勝った。13対1だ。相模の一二三が三連投で力尽きたという、感じだった。
勝負は4回裏でほぼ決まってしまった。この回、それまでなんとか興南打線を無得点に抑えていた一二三が先頭打者を四球で歩かせてしまう。すかさず、送りバントで進塁させようとしたが、これを一二三の好フィールディングで二塁で刺す。これで一死一塁。
興南はここでヒットエンドランをかけ、これが見事に決まる。相模のセンターが三塁に投げたがこれには無理があった。この送球の間に打者ランナーも二塁まで達してしまう。ここで、興南はヒットで先制点を上げ、尚も一死一塁三塁のチャンスをつくる。
すかさず、スクイズをかけるが、ここは相模バッテリーが見事に見破って外した。興南は万事休す、と思いきや焦った捕手が三塁に暴投。ボールはレフト前に転々と転がる。これで興南は二点目をゲット。
結局、このプレイが大きかった。興南はスクイズ失敗!という絶望から相手のミスで追加点を得た。まさに地獄から天国。相模はその逆だ。これに勢いづいた興南打線は力む一二三をつるべ打ち。一挙にこの回7点をあげ試合の趨勢は決まってしまった。
大量得点に守られた興南島袋はあわてず騒がず、落ち着いた投球術で相模打線をかわしていく。かたや興南打線はのびのびと攻撃し、加点していった。4回裏のスクイズを見破って、そのままサードランナーをアウトにしていたら、まだまだ、勝敗の行方はわからなかったかもしれない。
だが、両投手を比較すると、興南島袋の方が落ち着いていたし、ストレートの球威が落ちていることを自覚し、変化球で勝負していた。投手としての素質において一日の長があったように思う。点差が僅差であっても、最後は興南が勝ったのではないか。
勝った興南は春夏連覇。夏の甲子園、沖縄県勢初優勝!深紅の大優勝旗は初めて東シナ海を渡る。ともかくも、おめでとう、興南!君達の強さは本物でした。