<広告のコピーといい、図柄とい、ジョッキといい、なかなか洒落ている>
この前、仙台の“止まり木”に程近いとある居酒屋に一人で入った。カンターに座って呑んでいたのだが、目の前に高さ15cmほどの厚紙で作った広告(写真上)が目に付いた。「角ハイボール」の宣伝だ。「仙台の夜は、ハイボールからはじまる」と書かれていた。コピーといい図柄といい、なかなか洒落ている。店によって値段が違うのだろう、450円は手書きだ。
それにしても、「ハイボール」とは懐かしや。小生が生まれて初めて自分の金で呑んだ酒は「ハイボール」だった。父の酒を呑んだり、友人の家で呑んだりしたことはあったが、酒を飲ます店に入って初めてオーダーしたのは「ハイボール」だった。しかも、居酒屋ではなくスナックだ。
友人と二人で入って、カウンター越しの女性(ママ?)にオーダーした。ハイボールを作って我々に出しながら「あなた達、高校生でしょ。」と言われた。私服ではあったが、確かに高校生であった。いっぱしにタバコを吸って大人ぶっていたが、余程、オタオタしていたのだろう。簡単にバレてしまった。“ハイボール”にはそんな思い出がある。
イメージ的には「ウイスキーのソーダ割り」がハイボールだと思っていたが、「サントリー」のHPから引用すると以下の通りである。
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◆ハイボール(Highball)
日本では、ウイスキーのソーダ割りだけをいうように思われがちだが、もともと、スピリッツをはじめあらゆる酒がベースになり、ソーダだけでなく、ジンジャー・エール、トニック・ウォーター、ジュース類など、各種のドリンクで割ったものをハイボールという。Highballの語源は、ゴルフ用語のハイ・ボール(High‐ball:高い球)からきたという説がある。これは、イギリスのあるゴルフ場のカウンターでウイスキーを飲んでいた人が、急に自分の打つ順が来たことを知らされ、慌ててそばにあったチェーサーにウイスキーをあけ飲んだところ非常においしかった。そこに、たまたまハイ・ボールが飛んできたので、この名前をつけたという。他にも、かつてのアメリカの鉄道で使われていたハイ・ボール信号機からきたという説など、諸説ある。
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ということだソーダ。
してみると、最近よく呑むホッピーなどもハイボールと呼んでもよさソーダ(しつこい!)。
仙台の居酒屋でさっそく「角ハイボール」を試してみた。氷が多めで、サントリー角のウィスキーの味がほんのりとする、キリリとした味わいで実に旨かった。ホッピーより上品な味わいだ。氷とソーダとウイスキーの割合が程よいのだろう。この比率さえ分かれば、家でもやれると思った。
美味しいのでオカワリした。厚紙の広告を裏返してみた。なんと小雪さんが色っぽく微笑んでおるではないか。あたかも小生の右隣で同じ「角ハイボール」を呑んでいるかのようだ。こっちのコピーも
仙台の夜は、ハイボールからはじまる。
だ。
そうですか、小雪さん。仙台の夜はハイボールから始まるのですか。カンターの中のニイサンに「ハイボールおかわり」を告げた。三杯目を自然にオカワリしてしまったのだ。いい広告だね。呑み助のおっさんを釣るにはいい仕掛けですよ。実に。
<うーむ。何杯でも呑めそう。巧みな宣伝だ!>