先日、小生の行動指針「今日は○○の日!」をご披露した。もう一度書き出してみる。
・食べない日 (一日断食日)
・呑まない日 (断酒日)
・走って行く日 (自宅から会社まで走る日)
・走って帰る日 (会社から自宅まで走る日)
・走って行って、走って帰ってくる日 (往復通勤ランの日)
・金を一銭も使わない日 (文字通り一円も使わない日)
の6つである。上位5つが健康系で最後の6つ目だけが金銭系で異色を放っているが、この「金を一銭も使わない日」というのは最近以下の経緯で新たに設定したものである。
まず、会社引退後の生活を想定するにあたり、毎月いくらあれば生活できるか。この額によって、働き続けないとダメなのか、リタイヤしても預金の取り崩しと年金でなんとかやっていけるのか、が分かる。ということで2月から家計簿をつけ始めた。ひと月に何にいくら使ってるかを分析することで、リタイヤ後の生活費も想定しようという魂胆である。
これを付け始めて気が付いた。のべつ幕なしに毎日ダラダラと金を使うことがムダな浪費につながる。例えば食料。自炊や弁当づくりをすること、家のごく近くにスーパーがあること、などから頻繁に食料を買いに行くのであるが、前に買った食料を使い切らない内に新たに買ってきてしまうのでムダになることが多い。
「金を一銭も使わない日」を設けると、夕食の酒の肴も家にあるもので工夫しようとする。キュウリが無いからといってスーパーによれば、ついでにあれこれ買ってしまう。一銭も使えないとなれば「今晩のサラダにキュウリはいらん。玉ねぎが余っているのでスライスして入れよう」という代案を考える。日本酒が足りなければ、家にある焼酎やウイスキーで代用する。使わない日と決めておけば、ぶらりと暖簾をくぐることもない。「今日は金を一銭も使わない日」と決めておくと、いいことが多いのである。
これは“健康系”で言えば「食べない日(一日断食日)」とよく似ている。食べないことで、身体は致し方なく余分なエネルギーである皮下脂肪や血中脂肪などを使って補う。身体を冷蔵庫に見立てれば、「余分なモノの消費」と言う点で原理は同じなのだ。そして、身体(健康的)にも冷蔵庫(経済的)にも非常にいいことなのである。
また、話は大きくなるが「新たに買い求めず、既にあるものを工夫して使う」というこの考え方は地球環境にもいいのではないか。買わずに“既にあるもの”を知恵と工夫で有効利用し、新たな資源を使わないことで限りある地球資源の節約に役立てるのである。
例えば、クルマ。公共交通機関が発達している首都圏などではクルマに乗らず、JR、私鉄、地下鉄、バスを利用する。近い所なら歩く。自転車を利用するのもいい。クルマ1台作るのにはいろいろな資源を使う上に、動かすのにはガソリンが必要だ。また、道路網整備やメンテナンスに膨大な資源を消費する。
現在の人々ができるだけムダ使いしないことで、子々孫々に貴重な資源を残すことができる。老子の言葉に「足るを知る者は富む」というのがある。身の程をわきまえて、ほどほどに満足できる者、満足することの意義を知っている者は心が富んで豊かである、という意味だそうだ。この2世紀ぐらい、イケイケどんどんで大量生産大量消費の道を歩んできた人類であるが、もうそろそろ矛を収める時がきたのではないか。
考え所である。