<アレクサンドロス大王の帝国図>
昨晩も都内で呑んで帰ってきた。一次会だけですんだので、家に着いたのは10時ごろ。それでも結構酔っていたので、二階のベッドに辿り着くや、バタンQ。いつに無く睡眠時間が長かったので今朝の目覚めは悪くなし。
目覚めた後は読書。塩野七生著「ギリシア人の物語3」を読了。マケドニアの若き英雄アレクサンドロスは22歳の時に故国マケドニアを後にして、東征を開始し、ペルシアを滅ぼし、インダス川まで到達して、尚もインド中央部をも制圧しようという意気込みを見せたが、故郷に帰りたい兵士達の強い反発で引き返すことに。
帰路の途中バビロンで高熱に倒れ32歳で急遽。マケドニアを出てから10年、故郷に戻ることなく没したのであった。死因はマラリアだったのではないかと言われているが定かではない。ヨーロッパ人初の大版図を征服したこの若き英雄を西欧人はいまだに愛しつづけているようだ。そのあたりを著者(塩野七生)は、読者に問うカタチで、以下のように締めくくっている。
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なぜ、彼(アレクサンドロス)だけがのちの人々から「大王」と呼ばれるようになったのか。
なぜ、キリスト教の聖人でもないのに、今でもキリスト教徒の親は子に、アレクサンドロス(英語ならばアレクサンダー、イタリア語ならばアレッサンドロ、略称ならばアレックス)という名をつける人が絶えないのか。
その理由はただ単に、広大な地域の征服者であったからか。
それとも、他にも、愛する息子にこの名を与えるに充分な、理由があるのか。
なぜアレクサンドロスは、二千三百年が過ぎた今でも、こうも人々から愛されつづけているのか。
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確かにサッカーの選手なら、イタリアのユベントスで活躍した「アレッサンドロ・デル・ピエロ」、現役で活躍しているチリの「アレックス・サンチェス」、MLBならヤンキースなどで活躍した「アレックス・ロドリゲス」などの名をすぐに思い出す。
人は大きな業績を上げたにも関わらず、若くして亡くなってしまった人間が好きなのではないか。日本でも源義経、坂本龍馬、沢村栄治などは今でも人気が有るではないか。ましてや、ヨーロッパ人初の大版図征服という偉業を成し遂げた、アレクサンドロスである。二千年経とうが、一万年経とうが未来永劫「大英雄」の地位は揺るがないのではないだろうか。