田植えから約1ヶ月を過ぎて、稲たちの緑がひときわ濃くなり、分けつも進みだして株が大きくなってきました。でもこのところ雨また雨の毎日で、病気になりやすいのではないかと少し心配です。
カルガモも、よく見る(ダブルクリックで拡大)とそれなりに綺麗です。
羽繕いの姿は艶めかしい感じ・・・こちらが雌かしら?
傘を差して二人で歩いていたら、息子がふと呟くような細い声で歌った。
♪ デンシンバシラモ~ ポストモ~ アメ~ノナカ~
その歌の一節は私の心を打った。心の奥のページがサッと開いたような。
もう一度歌って!とせがむ私に、息子は幼いながらも大いに照れた。そしてまた一節を歌った。
♪ ショウガナイ~ アメノヒハショウガナイ~
私は感嘆した。こんなに素晴らしく詩的な歌を息子が歌ってくれるなんて!
音楽に疎い私は、別役實(1937~)作詞・小室等(1943~)作曲の ♪ 雨が空から降れば ♪ (1966作)を全く知らなかったのだ。息子は通っている保育園で覚えたのだろう。
あの日、駅に着いて、プラットホームに電車が入ってきたのを見て、二人で「電車も雨の中だね~」などと言ったりした。
それにしても、本当に雨の日にピッタリの歌だと思う。
♪ 雨が空から降れば
オモイデは地面にしみ込む
雨がシトシト降れば
オモイデはシトシトにじむ
♪ 黒いコーモリ傘をさして
街を歩けば
あの街は雨の中
この街も雨の中
電信柱もポストも
フルサトも雨の中
♪ しょうがない
雨の日はしょうがない
公園のベンチでひとりおさかなをつれば
おさかなもまた雨の中
♪ しょうがない雨の日はしょうがない
♪ しょうがない雨の日はしょうがない
♪ しょうがない雨の日はしょうがない
持ち歌にされていたんですか・・いい歌ですよね。この電信柱は絶対に木製。郵便ポストは円筒型でなければなりません(笑)。電信柱がコンクリート製に大きく変ったのは1960~70年代頃でしょうか。角形の郵便ポストが始まったのは1970年のようです。
この歌が出来た60年代後半の政治・経済・社会・思想の状況等々を含めた時代について、或いは、思い出・過去・他物・他者等々の時間論や存在論について、それなりに持論を語りだしたくなりそうな歌ですが、でもそれを語るのは野暮!と云われそうな歌でもあります。その辺が、この歌の微妙な立ち位置であり、魅力でもあるのかも。
たまたま昨日のラジオで、ビートルズ(1970)の let it be を久しぶりに耳にしました。この let it be の意味は、色々に解釈されるのでしょうけれど、「雨が空から降れば」で繰り返されている「しょうがない」との共通性がありますよね。作られた時代もほぼ同じですが、 でも歌全体の印象は相当に違う。let it be には強い訴求力と牽引力を感じます。
音楽に疎い私が、野暮なことを書き連ねてしまいました。