矢切の渡しにほど近い中原寺(ちゅうげんじ)から、今月も「宿縁」が届いた。記事を読んで、1911年の大逆事件に連座した高木顕明(けんみょう)という仏教者がいたことを知った。1914年に獄中死している。
顕明の著書に曰く、「南無阿弥陀仏に仇敵を降伏するという意義の発見せらるるであろうか」「極楽世界には他方の国土を侵害したということも聞かねば、義のために大戦争を起こしたということも一切聞かれた事はない。よって余は非開戦論者である。」と。続けて「諸君よ、願わくは我等と共にこの南無阿弥陀仏を唱えたまえ。今しばらく戦勝をもてあそび万歳を叫ぶことを止めよ」と。
顕明が逮捕されると、教団(浄土真宗大谷派)は彼を弁護するどころか、僧籍を剥奪し家族を寺から追い出した、という。
お寺に全く縁が無かった私だが、10余年前に教団(浄土真宗本願寺派)直属の通信教育を3年間受けた。しかし講師の方々に質問しても、常套文句しか返ってこない。
そんな折、中原寺の門前に親鸞聖人の大著「教行信証(顕浄土真実教行証文類の略称)」を読む会の表示を見て、意を決し門を潜った。
住職は、どんな愚問にも誠意を尽くして答えてくれた。八郷移住の際にお願いした「宿縁」の送付を、律儀に続けて下さっている。
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