八郷地区内の「小野越」を、俳句同好会で12/11吟行した。季節はずれの温かい日和だったのに、小野越では寒風に震えた。筑波連山の麓に近い谷間で、「筑波おろし」の通り道になっているのだ。
京都から東北へ向かう小野小町が峠を越えて来た、という伝承が地名の由来だ。年老いていたのだろう、小町は病を患ったが、この土地の観音様にお参りして快癒した、という。北を向いているので「北向観音」と呼ばれている。
北向観音の御堂は可愛らしい。先年、土地の人々の寄進で改修された。壁板は頬紅のような色に塗られ、千羽鶴が供えられている。両腕が捥げていた観音像も修復された。
観音経によれば、観音様はどんな苦難からもどんな人をも助けてくれる。「観音経は有難づくめ」だから、「浅いお経のような気がして」いたが、「浅きは深きなり」だった、と岡本かの子は語っている。
「仏像制作で一番難しいのは観音様。人間を離れないで超人的な美人にしなければならないから」とも言われる。
御堂の周辺には冬苺の実(当ブログ11/15に写真あり)が沢山熟れていた。俳句の仲間と共に摘んで口中へ。数ミリ程度の小粒だけれど、美味しさが深かった。
小町伝説の地は全国に多々あるらしいが、小野越はひっそりとしていて、晩年の小町にふさわしく思われる。
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