POWER TO THE PEOPLE (道郎訳・「民主主義よ健全なれ」)。

2020-01-05 19:31:43 | Weblog

さっき書いた日記の中で「HAPPY  XMAS」(WAR IS OVER IF YOU WANT IT )を

少しだけ引用したのだが、ここでは

この歌(と、もう一曲)について少し言及する。

この歌、昨年末に確か、インターFMの、ピーター・バラカンの「バラカンビート」の

クリスマスソング特集のときにもラジオでかかった。

とてもいい歌だし、ポップだし、有名な、ほとんど「誰でも知ってる名曲」だと思う。僕も大好きだ。

だがしかしこの歌、長いこと日本では「誤訳」がまかり通っていたのだ、知ってる人も多いと思うけど。

「OVER」が過去形・・・ていうか、過去完了形みたいに見えるから、「戦争は終わった」という風に訳されていたのだ。

僕が持っている「ジョン・レノン詩集」(岩谷宏・訳)1986年初版  でも、そう書いてある。

しかし本当はこの歌は、クリスマスソングに混ぜて、当時真っ盛りだったヴェトナム戦争に真っ向から反対の声を上げよう!

というプロパガンダでもあるので、「終わった」では意味を成さない。当時、「終わって」ないし。

正しくは「戦争は終わる、もしもアナタがそれを望むなら」という現在進行形の、真っ直ぐなメッセージなのだ。

だからつまり、「ヴェトナムから手を引け」と意思表明しましょう!という。

蛇足だがこの歌の訳詩は、もうひとつ(ふたつ)間違っていて、

冒頭のジョンとヨーコの囁きが「ハッピークリスマス、ヨーコ」「ハッピークリスマス、ジョン」

と訳されているのだが

これが何と正解は「ヨーコ」ではなく「キョーコ」と、「ジョン」ではなく「ジュード(ジュリアン)」なのだ。

ふたりの、別居していて会えないそれぞれの子供へのメッセージだったそうで、

そんなのって、その事情を知らなければ「ヨーコ」と「ジョン」にしか聞こえねえよな。致し方なし。


そして、もう一曲。

この日記はここからが本命。


ジョン・レノンのソロ時代の名曲に「POWER TO THE PEOPLE 」というのが、ある。

勢いのある、とてもカッコいい歌。これも、大・大・好き。

ピーターさんは「ソロ時代のジョンの歌でこれが一番好きかも」と言っていた。

訳詩は「権力は万人に」となっていて、これは全然間違っていない。

昔から好きだったのだが、最近耳にして、その「意味性」の奥に気付いた気がして、新鮮な驚きがあった。

今の僕の耳には、この「パワートゥザピープル」って

「民主主義に(まっとうな)チカラを!」って訴えてるように聞こえるのだ。

いや、きっとそう言っている、間違いなく。

さっきの「ハッピークリスマス」の(「ウォーイズオーヴァー」)は、

アナタが(本当に)望むなら戦争は終わる、でもその意思表示をちゃんとしなきゃ伝わらないよ、

だから声を上げよう、と言っているし、

その「民衆が上げた声」を、ちゃんと「チカラ」として聴けよ!そしてそのように政府は動けよ’

民主主義ならそれが当然なはずだ!

と言っているのだ。それが「パワートゥザピープル」の意味だと思う。

まわりくどい言い方をすれば「民主主義社会よ、健全に機能せよ!」と言っているのだ。

それをストレートに、シンプルに、「パワートゥザピープル」と言ってるのだ。

それに気付いたとき、ちょっとまた別の感動があった。

言葉って、歌詞ってすごい。

僕がこの歌を初めて聞いてから30年・・・いや、40年近く経つと思うのだけれど、

「耳タコ」みたいに聴きなれた名曲の意味が、

自分自身の成長で、「真の意味(みたいなもの)」に気付けるなんて。

いや、こんなポップソングにそんな、普遍的な大事な意味を込められるなんて。

やっぱジョンは「天才」以外の、何者でもないであろう。


そしてそしてそして、だから僕も言う。

声を上げよう、選挙に行って、投票して、意思表示しよう。

そして「我々(民衆)の言い分」を、本物のチカラにしよう。


憲法なんか、変えさせまい。戦争になんか、加担させまい。


民主主義よ、健全なれ。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 戦争を、「始まらせてはいけ... | トップ | 国際情勢の緊迫、それに負け... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事