99,9%の確率で。

2020-12-22 22:05:55 | Weblog

その「夢」は実体化したあと、しばらくは低空を飛んでは、いた。

とても不安定な飛び方ではあったが 一応、

「飛行している」と言えなくもない程度には。

 

だがしかし、そんなのが長続きするハズもなく、

嵐の中の紙飛行機みたいにそいつは・・・・・・ある日、あえなく墜落した。

 

幻みたいなチラチラした影が、

そのあともその辺の空域をうろついていた、と言う人もいるけど

僕はそれは、ただの目の錯覚だと思う。

 

でも懐かしい程のスピードで、

実体化したそいつがこの世界に実在したことだけは本当であると

信じたかった。

 

痛みを伴う喜び、

棘の刺さったような喪失感、

遠い海の陽炎。

 

 

僕はそんなもの達に囲まれて、永くここに居すぎたのだ。

 

かと言って今や、去り行く場所もないし、

退場のタイミングは、見事に逃した。

 

でも、それで良かったのかもしれない。

 

忘れ去られ、冷蔵庫の中で腐り果てる鶏卵のごとく僕らだって

誰にも気づかれず、生ゴミとしてゴミ箱に捨てられた可能性だってあったのだ。

 

それに比べたら、

 

ほんの数センチでも浮いてたぜ、空を飛んでたんだよ、俺はそれを見たんだよ、って

誰かが言ってくれたんだったら、

それはそれで、良かったのだ。

 

 

 

事実は事実でしかなくて、

それ以上でもそれ以下でもないから。

 

 

 

 

パーセンテージの数値がたとえ、どれだけであろうとも。

 

 

 

 

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