台風前の天候

2013-08-30 15:27:06 | Weblog



ビルとビルの間を風が、しかも強い風が吹き抜けてゆくのが好きだ。

その音を聴いてるだけで和むし、

「自分が今、正しい場所にいるのだ」、と思える。


夏の終わりごろの、こんな天気も大好きだ。

急に変わる天気、不穏な感じのする気圧の変化、

ラジオからは台風情報。

薄暗い午後、雨は降ったり、止んだりする。


こういうのが好きなのは、子供の頃、

夏休みの終わりには毎年、以前住んでいた「新宿」を訪れていたから・・・・なのだ、と思う。


そこは懐かしい「故郷」のはずなのに、数日しか滞在できない。

何日かしたら、あの泥臭くて人間関係のベトベトした「田舎」に戻らないといけない。

見渡す限りの田んぼと、カエルの大合唱、嫌らしい田舎の子供たち。


とても憂鬱なのだが、

「新宿」にいる間だけは、本来の自分でいられる。

忘れそうになってしまう懐かしい、自分自身。


いっそのことさぁ、

台風で新幹線とかそういうの全部、吹き飛んでしまったらいいんじゃない?

何もかもが何もかもが、

「終わり」になっちゃったらそれで、僕は帰らずに済むから。

そうなったらいいのになぁ・・・・。


そんなことを考えながら灰色の雲を見ていたのを思い出す。



気がついたらいつの間にか・・・僕は大人になっていて、

「新宿」も僕の中で、”僕の故郷”ではなくなってしまっていた。



田舎も今では、嫌いじゃないし、

カエルの大合唱なんて本当に、愛おしいくらいなんだがね。





でも台風前の天候だけは、変わらずに好きだな。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする