まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

滋賀3番「金剛輪寺」~神仏霊場巡拝の道・106(千体地蔵に願いを込めた後には・・)

2024年07月26日 | 神仏霊場巡拝の道

神仏霊場巡拝の道は湖東シリーズとして先ほど湖東三山の一つ、百済寺を訪ねたが、朱印の書き手がいない「書き置きの日」ということで参詣を断念。「明日なら書き手がいる予定」とのことだが、公共交通機関でのアクセスは難しく、かといって改めて明日レンタカーを借りるのもどうかと思う。まあ、もう一度滋賀に来る機会ができたと思うことにしよう。

気を取り直して、同じ湖東三山の一つで、今回のあみだくじの目的地である金剛輪寺に向かう。百済寺からは5~6キロほどで、国道307号線に出てしばらく走ると間もなく到着する。

名神高速の湖東三山パーキングエリア、スマートインターの横を過ぎる。そういえば以前、西国四十九薬師めぐりでこの先の西明寺を訪ねた時、レンタカーで湖東三山のスマートインターで下車した。その時にも金剛輪寺へ続く交差点を過ぎたのだが、この時は湖東三山を回るというよりは西国薬師めぐりがメインで、西明寺の後は桑實寺や善水寺などを急いで回った。

金剛輪寺の駐車場に到着。「聖観音」の大きな提灯がかかる総門をくぐる。石垣と青紅葉が並ぶ参道を歩くと受付に着く。ここでは境内の参詣ルートについて案内してくれる。特に予習もせずに訪ねたのだが、ここから本堂までは徒歩10数分の参道が続くという。その間には「千体地蔵」が祀られているそうだ。また金剛輪寺は桃山時代~江戸時代にかけて整備された庭園も知られており、本堂とどちらが先でも構わないので鑑賞するよう案内される。

まずは青紅葉の参道を進み、西谷堂に着く。阪神淡路大震災の犠牲者への供養塔もある。

庭園の入口に着き、ここから本堂まで上り道となる。参道の両側に千体地蔵が祀られており、一つ一つに番号が振られている。千番からカウントダウンとなり、「一〇〇〇 金剛輪寺」とある。この先は奉納した方の名前が刻まれ、一つ一つの前には風車が供えられている。いつ頃からこうした千体地蔵となったのだろうか。

かと思えば、参道の脇には番号こそ振られていないが多数の地蔵像が祀られている。参道の千体地蔵と比べてどちらが先に祀られたのだろうか。

地蔵像をカウントダウンしながら進むが、結構長い階段が続く。

10分あまりで、本堂に続く最後の階段に着く。地蔵像もとうとう最後の一番となったが、そこにある名前を見て驚いた。「武村正義」とある。この方、滋賀県知事や大蔵大臣、内閣官房長官など務め、「新党さきがけ」の代表でもあったあの武村さんなのか。

千体地蔵の第1番がこの方の名前ということは、何らかの形で関わったのかな。もっともそれは政治家としてではなく(政教分離の原則もあるので)、あくまで地元の一市民としての奉納であったということで・・。

階段を上がると二天門に到着。ちょうどこの頃、木々の向こうで雷らしいごろごろいう音が聞こえるようになる。

金剛輪寺の歴史は奈良時代、聖武天皇の勅願で行基が開創したという、多くの寺院に見られるもの。一方で近江に移り住んだ渡来系の人たちにもゆかりがあるともされている。平安時代に慈覚大師円仁により再興され、現在の本堂は国宝で、鎌倉時代、元寇に勝った記念として近江の守護・佐々木(六角)頼綱により建立されたとある。

本堂に上がる。まずは外陣でのお勤めとして、開放されている内陣にも入る。本尊は行基作とされる秘仏の聖観音像で、厨子の周りは四天王像、阿弥陀如来像が守護するかのように鎮座する。またその奥には慈恵大師や十一面観音、大黒天などさまざまな仏像が並ぶ。湖東三山は戦国の兵火の被害に遭ったところだが、金剛輪寺については本堂が山深いところに建っていたため被害が及ばなかったという。そのため多くの仏像が残されることになった。

内陣を一回りした後、無事に朱印をいただく。

さて本堂を出ると、雨が降り出した。やはり先ほどの雷鳴は雨を呼んでいたのか。朝、広島を出た時に雨が降っていたので折り畳み傘を差し、その後リュックに入れて邪魔にも感じていたが、ここで雨が降り傘を開くことになるとは、湖東三山が意地悪しているようにも守ってくれているようにも思われる。

千体地蔵の並ぶ階段を下り、名勝庭園に向かう。金剛輪寺の本坊・明寿院の庭園である。ただ、ここでは雨の中の鑑賞である。

湖東三山ということで、金剛輪寺も紅葉の名所である。ここまでの参道、そしてこの庭園は紅葉の時季には多くの人で賑わうそうだ。まあ今回は急な雨の中での鑑賞となったが・・。

さてこの先だが、すぐ近くには西明寺がある。ただ、先ほど百済寺が次回以降に繰り越しとなったことから、雨の中、西明寺をめぐることもないかなという気になった(以前に西国四十九薬師めぐりで訪ねたこともあるし)。ならば、宿泊地の彦根に向かうことにして、途中経由する多賀大社には行っておこうか・・。

そのまま国道307号線を走り、休憩のため道の駅「せせらぎの里こうら(甲良)」に立ち寄った。滋賀の土産もいろいろある。鮒ずし、ちゃんとありますねえ・・・これは今夜の彦根のホテルで晩酌のあてとしましょう。

・・・ここで買い物を終えて外に出ると、先ほどの小雨から一転、豪雨となっていた。油断して傘をレンタカーの中に置いていたため、駐車場を横切るだけでずぶ濡れになった。

この先クルマを進めて多賀大社に到着したが、外は豪雨のまま。少し待てば止むのかもしれないが、もう今日はいいかなという気になった。結局この日は近江八幡から彦根までのルートで、永源寺、金剛輪寺の2ヶ所をめぐって終了である。湖東には百済寺、西明寺、多賀大社、そして近江八幡には日牟禮八幡宮が残ることになり、この先まだまだ楽しめそうだ。

多賀大社を過ぎ、コンビニの駐車場にいったん立ち寄り、ここで次の行き先を決めるあみだくじとする。くじ引きアプリによるエントリーは・・

・天龍寺(京都8番)

・四条畷神社(大阪20番)

・阿倍野神社(大阪3番)

・仁和寺(京都12番)

・善峯寺(京都5番)

・根来寺(和歌山9番)

翌21日はほっともっとフィールド神戸で16時開始のバファローズ対イーグルス戦観戦を予定しており、午前中~午後早くまで時間が取れる。和歌山の根来寺以外であれば1ヶ所に立ち寄り、その次の行き先を決めることができそうだ。

そして出たのは・・・善峯寺。西国三十三所第20番で、西国4巡目の終盤で数少ない残り札所である。彦根からならJRで向日町まで行き、そして参詣後に神戸に移動する時間は十分に取れそうだ。

湖東シリーズを終え、翌日の行き先もとりあえず決めた。・・・ということでクルマが彦根の市街地に近づくと、先ほどまでの勢いがウソのように雨が上がった。今や夏場にはどこで発生してもおかしくない急な豪雨。やはり、何かおちょくられているような気分だ・・・。

予定よりも早く、彦根駅東口近くのトヨタレンタカーに到着。後は、宿泊では初めてとなるこの地でゆっくりするか・・・。

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