まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都5番「善峯寺」~神仏霊場巡拝の道・107(朝から暑い~)

2024年07月28日 | 神仏霊場巡拝の道

7月21日、彦根で朝を迎える。昨日からそうだったのだが、ホテルの部屋の窓から東海道線の線路が見え、列車のコトコトいう走行音も時折聞こえる。早朝の時間帯は長い走行音が相次ぐ。貨物列車だ。JR貨物の一般コンテナが雑然と積まれているかと思えば、福山通運や西濃運輸のコンテナが何両も続く景色も圧巻である。

朝風呂、バイキング形式の朝食を済ませる。

さてこの日は、前日訪ねるのを断念した湖東の札所を回ることも考えたが、結局は次回以降にするとして、あみだくじで出た京都5番・善峯寺に向かう。善峯寺は西国三十三所の札所でもあり、終盤に差し掛かった4巡目を進めることができる。

結局彦根城は駅コンコースからの遠景として、彦根8時07分発の新快速で京都まで一気に移動する。京都で普通に乗り換え、向日町で下車。ちょうど橋上駅化に向けた工事中である。

改札を出ると見覚えのあるQRコード。JR西日本の「駅からはじまる西国三十三所デジタルスタンプラリー」だが、あれ、今年の3月末で終了したのではなかったか。その終了に間に合うように神仏霊場巡拝の道めぐりの行程を組んだこともあったが・・。JR西日本の「JRおでかけネット」によると、この7月1日から2026年3月31日まで、JR西日本アプリ「WESTER」から参加できるとある。このスタンプラリーも紙からデジタルに移行しながら続いているが、西国三十三所開創1300年記念行事の後でも、JR、西国三十三所札所会としては参詣者を呼び込む効果があると判断したのだろう。

さて善峯寺へは向日町から阪急バスで行くのだが、橋上駅化工事にともないコインロッカーが撤去されている。善峯寺はバス停から坂道を上るので身軽になりたかったのだが、幸い、少し歩いた阪急の東向日にはコインロッカーがあるので移動する。

今回の目的地は善峯寺だが、神仏霊場の札所としては京都6番・大原野神社がある。こちらにも行くべきかどうかちょっと考える。これから乗るバスの系統としては、善峯寺行きの他に、南春日町経由洛西バスターミナル行きというのがあり、途中の灰方で分かれる。以前、西国四十九薬師めぐりでは、西国三十三所としての善峯寺を訪ねた後、灰方で下車し、南春日町に行くバスの時間までかなりあったので歩いて勝持寺、正法寺を回った際、大原野神社にも立ち寄っている。だから今回も行こうと思えば行けるのだが・・。

善峯寺行きのバスに乗車。トレッキングらしき人の姿も見える。この先、大阪府との境にあるポンポン山を経由して高槻方面に抜けるルートがある。

灰方を過ぎ、手前の小塩を過ぎて上りとなる。

善峯寺に到着。ここから山門まで距離にすれば300メートルほどだが九十九折の参道である。駐車場は山門近くにあるのだから、バス停もそちらに設ければよいと思うのだが・・。

暑い中、参道を上る。その間からは京都の市街地もちらりと見える。

善峯寺が開かれたのは平安時代中期。源信の弟子である源算が千手観音を本尊とし、後一条天皇の勅願寺となった。その後、鎌倉、室町時代には法親王が入ったことから西山門跡とも呼ばれ、多くの僧坊を抱えていたが、応仁の乱に巻き込まれるなどして伽藍の大半を失った。

現在の形で再建されたのは江戸中期、5代将軍・徳川綱吉の母・桂昌院による。桂昌院は仏教への信仰が篤く、京都の様々な寺院の再建に尽力している。綱吉が「生類憐みの令」を出すにいたったのも、こうした母の影響があったかもしれない。

本堂に向かい、さてお勤めをしようと準備すると、境内に西国三十三所めぐりの団体がやって来るのが見える。ここは先に朱印をいただいておいたほうがよさそうだ・・。

神仏霊場、そして西国三十三所の先達用納経軸に朱印をいただく。なお、これまでのJR西日本のデジタルスタンプラリーでは、オリジナルの散華を紙でいただいていたが、この4月から新たに始まったデジタルスタンプラリーは、この散華を境内設置のQRコードで読み取るシステムとなっている。このデジタル散華が全て貯まってエントリーすると、紙の散華が貼られた台紙が進呈されるという。まあ今の時代、こうしたデジタルのほうがとっつきやすい面はある。そのうち、朱印じたいもデジタルでいただく時代が来るのかもしれないなあ・・。

私が朱印をいただいている間に団体は本堂の中に入ってのお勤め。それが済むと外に出て、やはり納経所に列ができる。団体の場合、一般の朱印帳は添乗員が取りまとめて先に納経所に持ち込めるが、先達用納経軸は先達自らがいただくルールとなっている。「○○先達」の袈裟巻をつけている人が目立ち、結構熟練した方たちの集まりのようだ。その方々と入れ替わる形で本堂の中に入り、改めてお参りする。

この後は、奥の院を含めた庭園めぐりである。今でも3万坪(プロの野球場2個分)の広さを持つ境内、しかも奥の院まで上りが続くことで、より暑さを感じる。樹齢600年の遊龍の松から多宝塔、経堂を通る。

桂昌院の遺髪を納めた廟所もある。

善峯寺を開いた源算作とされる釈迦如来を祀る釈迦堂に着く。この辺りまで来ると他の参詣者の姿は見えず、団体も寺の滞在時間が限られているためか、先ほどの遊龍の松あたりで引き返したようだ。

奥の院の薬師堂に向かう。その手前には「悠仁親王お印」の高野槇というのがある。これまで訪ねた中で、この高野槇に気づいたのは初めてである。

そして最後のひと踏ん張り、薬師堂に到着。手水では手だけではなく腕にも水をかける。

そして、改めての眺望である。遠くは比叡山の奥の比良山地、東山、果ては大和の葛城山までを見渡すことができる。この景色が見られるのが善峯寺の楽しみである。周囲を山に囲まれた京都にあって、ここ善峯寺は数少ない初日の出スポットとして知られており、元旦には特別に6時30分から入山できるとある。一度見てみたいものだが当然バスは走っていないし、クルマで行くにしても渋滞でたどり着けるかどうか・・。

これで、前日のあみだくじで出た目的地の善峯寺をクリアしたが、この後どうするか。結局、大原野神社も次回以降に訪ねるとして、改めてあみだくじで次の行き先を決めよう。

あみだくじの前の予選くじ引きでは・・

・西明寺(滋賀4番)

・大念仏寺(大阪5番)

・法隆寺(奈良13番)

・多賀大社(滋賀1番)

・叡福寺(大阪16番)

・道成寺(和歌山6番)

・・・何やねん、前日に集中豪雨のためパスした西明寺、多賀大社の2つが入って来るとは。これは滋賀からの呼び戻しのメッセージか・・。

その中であみだくじアプリが示したのは・・道成寺。意表をついた和歌山編である。そうなると、同じ和歌山以南に残っている藤白神社とのセットで訪ねる形になりそうだ。滋賀についてはまた季節を変えて・・。

薬師堂で折り返し、庭園などの帰路をたどって本堂前に戻る。

ちょうどバスの時間に合うように戻る。向日町からのバスが到着し、ここで折り返しとなる。途中の道幅の狭い区間での周囲確認や、折り返しのための誘導のため、乗務員がもう一人ついている。バスに乗り込むとエアコンがギンギンに効いていて、逆サウナ状態である。もう、灰方で下車して改めて大原野神社に向かうことはなくなったから、そのまま阪急東向日まで涼んで行くことにしよう・・。

時刻はちょうど昼。もう、今回の打ち上げでいいでしょう・・ということで目に留まったのは、東向日駅前にある餃子の王将。拙ブログで最近登場した餃子の王将といえば「鹿児島王将」だが、こちらは本家の「京都王将」である。

そして餃子、生ビール。歩いたといっても善峯寺の境内一周だけのことだが、アップダウンもあったし、これも札所めぐりの楽しみということでいいだろう。餃子以外にも他に注文し、これで整うことができた。

コインロッカーから荷物を取り出し、JRの向日町まで戻り快速の加古川行きに乗る。この後は新大阪で新幹線に乗り換え、新神戸で下車してほっともっとフィールド神戸に向かうことに・・・。

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