まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第14回九州西国霊場めぐり~大相撲九州場所千秋楽観戦・1(序ノ口から十両土俵入りまで・・)

2022年12月21日 | 九州西国霊場

九州八十八ヶ所百八霊場、九州西国霊場めぐりと組み合わせる形で訪ねた大相撲九州場所観戦。11月27日は千秋楽。福岡での観戦は初めてである。また千秋楽にしたのは、優勝争いがどのような形になろうとも、久しぶりに表彰式、そして最後の「神送りの儀式」まで見てみようと思ったからである。

九州場所が終わって半月以上経過し、冬巡業も終わった後での観戦記は情報としての新鮮味はないが、そこは何かの記録になればと思う。

大相撲本場所の朝は早く、朝8時に開場、8時半頃には序ノ口の取組が始まるのだが、千秋楽となれば幕下以下では7番勝負を取り終えた力士も多く、その分取組も少ない。そのため10時開場、10時25分取組開始である。この朝の2時間の差があったからこそ、小倉をゆっくり出発できたし、博多にて寺参りをすることもできた。

まずはロビーにて番付、そして天皇賜杯、優勝旗など各賞の展示を見る。なお、14日目を終えた時点で幕内の優勝争いは高安が2敗で単独トップ。これを貴景勝と阿炎が3敗で追う展開。そして高安の対戦相手はやはり阿炎となり、高安が勝てはその時点で優勝決定、敗れれば優勝決定戦、さらに貴景勝が勝てば巴戦となる。

さらに、記念撮影用として横綱、大関のパネルが出迎えるが・・・照ノ富士は休場、そして正代は2場所連続負け越しで大関陥落が決まり、そして陥落直後の御嶽海も1場所での復帰はならず・・・でさびしい顔ぶれである。

今回座るのは西のイス席。西からだと、東方から土俵にあがる力士を正面に見ることができる。また福岡国際センターは小ぶりな建物のため、東西のイス席は4列だけである。その4列目に座ったのだが、肉眼だと土俵が遠すぎて見えにくいということはない。イスB席3000円は、大相撲の観戦料金としては見合った価格だと思う。

もっとも、大相撲の東西と、方位としての東西は必ずしも合わないようである。西方の席ということで、福岡国際センターの正面(南向き)から入って左手、西の方角に進むと、そこは東方だった。西方は逆で、東の方角である。席のシートには「西」のシールが貼られていたが、座席につけられたプレートは「東」である。ややこしい。

さて、拍子木が鳴らされ、勝負審判が入場し、序ノ口の取組開始である。東からはまだ髪を伸ばしているところで髷が結えない曽我という力士が登場。今年入門したばかりの16歳とあり、序ノ口でもなかなか勝てないようだ。この日も敗れて1勝6敗である(なお、別に私がこの力士のひいきでも何でもなく、この日最初の取組に出て来たのでプロフィールを見た次第である。頑張れ)。

そうかと思えば、序ノ口にしてはえらい老けた力士も登場する。森麗(もりうらら)。こちらは35歳とある。確か、序ノ口からずっと負け越した記録を持っていて、レビュー以来連敗続きで有名、人気になった競走馬「ハルウララ」にあやかって四股名をつけたのではなかったかな。

序二段の取組となり、結びの一番後の弓取式に登場する聡ノ富士が土俵に上がる。何と、森麗を大きく上回る45歳。しかも番付最高位は幕下の下位とあるが、弓取式の一芸をもって長く相撲界に貢献している力士である。相手をはたき込んで勝利し、夕方の弓取式に備える。

11時を回ると館内の売店、グッズコーナーも開店する。そして福岡国際センターの外にはキッチンカーが並び、ちょっとしたフードコートになっている。フードコートはチケットがない人でも自由に訪れることができ、逆に入場済の人は再入場受付でチケットを提示し、リストバンドをもらう。

ここで早めの昼食として、大相撲名古屋場所公認とあるちゃんこ鍋、そして中津のから揚げ、やはりということで生ビールをつける。天気もいい中、こうした昼食になるとは思わなかった。これはエディオンアリーナ(大阪府立体育会館)の敷地では無理やろうな・・。

館内に戻る。ちょうど月桂冠の300ミリリットル瓶が売店で売られていて、座席にていただく。後、今思い出したのだがそういえば「焼き鳥」はなかったかな・・。国技館名物の焼き鳥、コロナ禍以降東京へ出張する機会もなくなり、帰りの新幹線でつまむ楽しみがなくなったな・・と思い出す。

土俵は序二段から三段目にかけての取組が進む。少しずつ、土俵上の取組の力強さ、激しさも増してくる。

その一方で、競った一番が続き、物言いがついて土俵上での協議も相次ぐ。

さらに熱戦は続く。あくまで個人的な印象なのだが、幕下以下の取組のほうが立ち合いの変化や、安易な引き技、はたき込みなどが少なく、真っ向勝負が多いように思う。これから上位を目指す力士なら、安易に勝ちを拾いに行くのではなく、ともかく正攻法を身につけてほしいというところもあるのだろう。

再びトイレと買い物で席を外す。行列ができているので何かと見ると、「2023年ポスターカレンダー」の無料配布の整理券を配っていた。そのまま進むと売店担当の親方が次々に配っていたところ。ちょうど部屋のカレンダーの入り替えの時季で、こうした大相撲を添えるのも面白いだろう。

ポスターを受け取った後、後方からジャンパーを羽織った髷姿の元力士がやって来るのに気づく。周りに人だかりができているのを見ると、元白鵬の宮城野親方である。コロナ対策もあって「握手はダメ」と小声で言いながら、それでも何となくファンの人たちと触れ合いながら、持ち場である控室に向かう。1人限定で写真撮影にも応じる中、私もちょっと身体を触ったぞ(・・と書くと痴漢みたいだが)。引退してすでに1年以上経つが、やはり人気は健在だ。

取組が進み、十両の土俵入りである。東方の最初は長崎出身の對馬洋で、拍手が起こる。そういえばここまでの幕下以下の取組でも、力士の出身地紹介で九州の県名が読み上げられるとその都度拍手が起こる。福岡でも熊本でも、長崎でも宮崎でも変わらない。ご自身は九州のどこかの県の出身なのだろうが、それ以外の県でもしっかり拍手を送る人も結構多い。この辺りは九州ならではなのかな。

人気の炎鵬や、同じ宮城野部屋で将来が期待される北青鵬に続くのは天空海。前回の九州西国霊場めぐりで宗像の鎮国寺を訪ねた際、「天空海闢(てんくうかいびゃく)」の朱印の文字を「天空海関(あくあぜき)」と見間違えたことがある。千秋楽に勝てば十両優勝の可能性も残していた。

続いて西方の土俵入り。こちらは、元豪栄道の武隈親方と同じ寝屋川出身の豪ノ山が先頭。千代の国、豊山といった幕内経験豊富な力士も登場する。

・・・ここまで書いたところですでにかなり長い記事になった。いったん「中入」とすることに・・・。

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