まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

神仏霊場巡拝の道~西国三十三所第3番・粉河寺(雨の和歌山におわかれ)

2022年12月05日 | 神仏霊場巡拝の道

今回の神仏霊場めぐりは、南海本線の堺駅前をレンタカーで出発し、和泉の施福寺から河内長野の2ヶ所を訪ね、橋本で1泊。そして翌日は高野山に向けて順番に訪問し、神仏霊場めぐりとしては一気に7ヶ所訪ねた。レンタカーだからということもあるが、今年4月に始めたばかりで、特別霊場の伊勢神宮外宮・内宮を含めて154の寺社のうち、すでに35ヶ所を回っている。それよりも前に始めた中国四十九薬師(現在32番まで)を追い越してしまった。まあ、関西の場合札所がある程度固まっているところが多いのだが。

さて、高野山の帰りに立ち寄ったのは粉河である。和歌山から堺へのルート上にある神仏霊場の札所となると、岩出の根来寺、泉佐野の七宝瀧寺、貝塚の水間寺といったところがあるが、今回は西国三十三所の4巡目として、神仏霊場には属していない西国3番・粉河寺を押さえておくことにした。和歌山県の内陸に入ったところでもある。

駅に来たのは、JR西日本の西国三十三所めぐりのデジタルスタンプラリーのためである。QRコードを読み取り、コレクションに加える。紙のスタンプラリーの時と同じく、集めたスタンプの数に応じてプレゼントの応募もできるし(前回はミニ観音経が当選した)、コンプリートすると記念品もいただける。ただ、期間は2024年3月末まで。1回コンプリートしているので別にいいのだが、果たして期間内に2回目の達成まで行くかどうか。

再びクルマに乗り、駅前の道を直進して粉河寺に向かう。橋を渡ってすぐのところに駐車場があり、そこに停める。料金はセルフで料金箱に入れる。この先にも駐車場はあるし、まだ雨が降っているので濡れる距離が長くなるのだが、大門は見ておこうと。

粉河寺が開かれたのは奈良時代、猟師をしていた大伴孔子古が千手観音の霊験に触れ、殺生をやめて観音を信仰するようになった言い伝えがある。その後、平安時代には朝廷や貴族の保護を得て、「枕草子」や「梁塵秘抄」などでも霊験あらたかな寺として名が挙げられている。しかし、戦国時代に羽柴秀吉の紀州攻めのため、全山が焼失した。現在の伽藍の大半が江戸時代に紀州藩の保護を受けて再建されたものである。

また雨が強まって来て、とりあえず本堂にだけは行こうと境内を足早に過ぎる。これも江戸時代の再建である中門をくぐる。

本堂前の庭園の石垣も雨に濡れてちょっと冷たそうに見える。

本堂に到着。西国三十三所の寺院の中でも最大級の本堂ということで、屋根下のスペースも広く、ようやくほっとする。

粉河寺の本尊は千手観音像だが、これまで絶対の秘仏とされ、公開されたことがないそうである。本尊を模した像や絵はあるがそれが本物を元にしたものか証明することはできず、写真もないそうである。本尊が秘仏として厨子に収められ、その代わりのお前立ち像が祀られていたり、あるいは何年、何十年に一度公開される・・というのならいくらでもあるが、粉河寺の本尊だけは世に出たことがない。火災を避けるため、本堂下の地中に容器に入れて埋められているとされているそうだが・・。

ここで朱印をいただく。西国三十三所のおまけもついたところで今回は終了である。

粉河寺からは、京奈和自動車道の紀ノ川東インターが近い。大和高田までJR和歌山線とモロに並走しているが、国道24号線のバイパスの扱いでもあり、無料で走行できる。そりゃ、こちらを利用すれば圧倒的な速さで和歌山、大和高田方面に抜けることができる。

根来寺のすぐ横も通るが、こちらは他の和歌山近郊、和泉エリアの札所とともに訪ねることにしてそのまま通過する。雨でなかったら向かっていたかもしれないが・・。

岩出根来インターから有料区間となり、深い霧が立ち込める中、和歌山ジャンクションから阪和自動車道に入る。

大阪府に入ると雨もやみ、少しずつ視界も開けてくる。そのまま関西空港自動車道、阪神高速4号湾岸線と走る。このルートも大阪勤務時代にはよく乗っていた。相変わらず飛ばすクルマが多いのだが・・。

大浜で下車し、給油のために一度堺駅近辺をぐるりと回った後、無事にレンタカーを返却。そういえば、雨の金剛峯寺でクルマについた落ち葉だが、それなりの数がそのままボディや後ろの窓に張り付いたままである。係員が思わず「どこに行ってたんですか?」と聞いてきたくらいだ。

そのまま急行でなんばまで移動し、帰りの新幹線まで時間がまだあったので、立ち飲みの「赤垣屋なんば店」に立ち寄る。昼食に精進料理をいただいたばかりだが、大阪に戻ったから精進落としと言わんばかりである。

ちょうどカウンターが満席で、テーブルに落ち着く。こちらのほうが、カウンターで隣の客の肩に触れることなくゆったりできる。赤垣屋も歴史が長い居酒屋で、100周年までのカウントダウンの表示がある。店を訪ねてからこの記事に至るまで半月以上経過しているから、このカウントダウンも進んでいることである。100周年となると何かイベントでもやるのかな。

まずはホッピーと、湯豆腐、刺身の盛り合わせ。

熱燗に切り替える。燗酒は今季初めてで、そろそろそういう時季になったかと思う。限定メニューのブリかま焼き、そしておでんである。定番の他に季節限定のメニューがあるのも、四季を通してたまに来たくなる店である。

すっかり心地よくなり、新大阪に向かう。後は「こだま」でのんびり戻るだけである。

神仏霊場巡拝の道、これまで大阪南部・奈良南部・和歌山北部と京都市内を行ったり来たりしている。結構いいペースで来ているが、あみだくじでそろそろ他のエリアが出てもいいところで・・・。

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