まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第22回中国四十九薬師めぐり~山陰線海岸区間を行く

2022年12月26日 | 中国四十九薬師

12月11日、前泊した浜田から山陰線で東萩に移動する。時計回りに中国地方を一周する中国四十九薬師めぐりのコマは石見まで進んでいるので逆走する格好だが、鉄道でというのがポイントである。

ホテルでの朝食を済ませ、浜田駅から出発。

前日ここの券売機で購入した青春18きっぷにスタンプをもらう。ちょうど、8時10分発の益田行きが到着したところだ。この列車は出雲市を5時50分に出発しており、浜田で18分停車する。2両編成だが、ちょうど乗客が入れ替わる形となり、浜田からの乗客は旅行者らしい人を含め数人である。もちろん、海側のボックス席を確保する。

この日の島根県は曇り、一時雨の予報。山口県の日本海側も似たようなものでろう。周布を過ぎると海岸に出る。風、波もそれなりに強い。ここに来て雨も落ちてきたようだ。冬の日本海らしい景色である。

折居から三保三隅の区間は、先日も国道9号線を走り、道の駅から日本海をバックに走る列車を見たところ。その時は、やはり列車に乗ってその景色を楽しみたい・・と思い、今回期待してやって来たのだがあいにくの天気である。まあ、こうした変化があるから何度でも来たくなるのだが。

この後も三保三隅、鎌手、石見津田と眺めのよい区間を行く。

9時12分、益田に到着。次の9時31分発の東萩行きまで少し時間があるのでいったん改札を出る。低い雲が辺りを覆っている。

益田~東萩間は1日わずか7往復しかない。県境を越える区間ということもあるが、山陰線の中でもっとも列車本数が少ない区間である。今すぐに廃止が取り沙汰されているわけではないが、今後について何か明るい材料があるわけでもない。

その東萩までの区間はこの夏に乗った。新型コロナウイルスの対応で益田に出張、数日間滞在した時のことだが、対応に目途がつき宿泊最後となった夕方、ふと、この区間に乗ってみようと17時47分発の長門市行きに乗った。夏ということで日が長く、夕暮れの日本海の景色を眺めることができた。その時も、平日の夕方の時間にも関わらず県境の区間では乗客が2~3人ほどだった。

これから乗る9時31分発は2両編成だが乗客は数人。そのうち1両はロングシート主体だったので、ボックス席中心のほうの車両に乗り込む。今回の中国四十九薬師めぐりはこの東萩行きがカギとなったように思う。10時43分に東萩に到着し、2本後の14時24分発の長門市行きまでの時間が萩の滞在時間である。

高津川を渡り、再びどんよりとした日本海の車窓である。石州瓦の屋根が並ぶ集落と相まっての景色は島根らしい。

飯浦を過ぎると島根から山口に入る。次の江崎までの区間がもっともひっそりしていたように思う。

山口県の区間に入ると、駅ごとにわずかながら乗客の姿も見える。この東萩行きだが、終点の東萩で接続する列車はない(次の長門市行きは2時間あまり後)。ここからの乗客は純粋に萩を目指す人たちだろう。

途中通り過ぎのは阿武町である。コロナ対策の給付金4630万円が町から一人の男に誤って送金され、それを返還するしないでトラブルになったことで町の名前が全国に知られたところだ。この事件、今年のことやったんやね。当時は連日のようにワイドショーで取り上げられていたようだが、中身としては町役場のミスによる送金トラブルである。その後に起こったさまざまな出来事のほうが事件性が高かったり、私たちの生活に直結したりというのが多く、阿武町も今はまた静かになっているだろう。誤送金された男の裁判は続いているようだが。

東萩に到着。跨線橋を渡って改札口に向かうが、駅の人は誰もいない。世界遺産を擁する観光地の玄関口の駅のはずだが、鉄道でのアクセス、あるいは個人の観光客など眼中にないのか、現実はこんなものかと思う。

ここから中国四十九薬師めぐりの目的地である第33番・円政寺を目指すのだが、これもやっかいなことに・・・。

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