まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第8回中国観音霊場めぐり~大山寺(尾道七佛めぐり)

2019年12月04日 | 中国観音霊場

西國寺を後にして、古寺めぐりの標識に従って尾道七佛めぐりの4ヶ所目である大山寺を目指す。寺としては初めて耳にするところで、尾道七佛めぐりとしてのご利益は「合格祈願」とある。

細い上り坂に出る。尾道らしい坂と言えば坂で、「れんが坂」という案内板がある。地面にれんがが敷かれているからだと思われるが、尾道の旅行記などによると「蓮華坂」と記したものもある。いずれにしても尾道らしい風情がある。

・・とそこに、猫が一匹前方から歩いてくる。首輪があるからどこかで飼われているのだろうか。やはり人に慣れているのか、逃げ出すとか警戒するとかいうことなく、こちらの足元にやって来て体をこすりつける。しばらくそうした後、悠然と坂道を下って行った。

坂を上りきったところに石段があり、大山寺の門に出る。入ったところに日限地蔵のお堂がある。日を限って日参し、一心に祈願すれば願いが叶うという地蔵菩薩だが、ここが本堂というわけでもなさそうだ。また横には庚申堂もあるが、本堂はその先にあるようだ。

その本堂といっても寺らしくない普通の建物で、扉も閉まっている。一応ここには本尊大日如来と観音像が祀られているというのでお勤めとする。ただ何か物足りないなと思い、改めて寺の案内板を見る。すると、大山寺というのは古くから「天神坊」と呼ばれていて、元々隣接する御袖(みそで)天満宮と「深い関係」があったという。この「深い関係」というのは、天満宮の別当寺だったということだろう。確かに奥に天満宮の社殿があるが、別に塀で仕切られているわけでもなく、紅葉につられてそのまま進むと入ることができる。

御袖八幡宮の由来について、日本語の他に手書きの英語での案内がある。菅原道真が大宰府に左遷される途中尾道に立ち寄った際、土地の人たちから酒や飯をご馳走になった。道真はそのお礼として着物の袖を破り、自身の姿を描いて与えた。道真の死後、祠を建ててその袖を祀ったのだが、それが後に天神様の信仰と合わさって天満宮となったという。だから大山寺と言ってもピンと来ない人でも、御袖天満宮と聞けば「あそこか」とわかる人も多いのではないだろうか。

ということで大山寺の尾道七佛めぐりの「合格祈願」のご利益というのもうなずける。納経所にて4つ目のスタンプをいただく。

帰りは急な石段を下りる。今回は東から坂道づたいに来たので石段を下りる形になったが、ここは西から参道に来て石段を上がったほうが風情がありそうだ。

その参道には、古い雑貨や看板、お宝写真などが表に並べられた怪しげな雑貨店がある。こうした店、観光地でたまに見かけるなあ。

続いては千光寺で、片道はロープウェイで上ろうと思う。ただ歩いてきて商店街の中心部に下りてきたことだし、時間も昼近くということでここで昼食とする。昼はラーメンかなと思いつつ、目についたのはお好み焼。商店街から一本入った路地にある「手毬」という店に入る。ここで注文したのは尾道焼きのスペシャル。定番の砂ずりのほかに、エビやイカが入る。しかもそばをダブルにしたものだから結構なボリューム感がある。

待つ間に、ご近所の常連とおぼしき方が相次いで入って来て、女将さんと話をしながらそれぞれ焼くのを待つ間に生ビールをぐいっとやる。美味そうだが、寺めぐりのまだ途中なので自重する。また、次に入って来た子ども連れは、「ジャンボ」を注文。2000円するが、見たところ3人前はありそうだ。グループならテーブル席の鉄板でこれをシェアするのもお勧めだという。「お兄さんなら一人で行けそうやね」と言われるが、いやいや。

肝心の味のほうは、焼き加減もよくすいすいと入る。砂ずりの独特の歯ごたえも2回目となると十分「あり」である。鉄板からヘラですくってきれいにいただいた。

さてお腹ができたところで、千光寺に向かう。朝と比べていっそう雲がどんよりとしてきたのが気になるが、七佛めぐりも残り3ヶ所である・・・。

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