まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

並行在来線第3セクターに乗る・・・ほたるいかと海洋深層水

2015年08月26日 | 旅行記D・東海北陸
北陸新幹線の開業にともないJRから切り離されて第3セクターに移行した区間を乗り継ぐ1日。富山まで来て富山地方鉄道に寄り道して、あいの風とやま鉄道に接続する滑川まで来た。朝から雨が降ったり止んだりで、この時間はたまたま止み間だった。

滑川の駅から歩いて7~8分のところに、ほたるいかミュージアムというのがある。富山の代表的な味の一つにほたるいかがある。漁のシーズンは春というが、沖漬けや干物などに加工され、土産物屋には年中豊富に並ぶ。何でもこのミュージアムでは、シーズンには水槽でほたるいかの発光が見られるそうだ。

滑川の駅は簡素な造りで、駅員はいるものの売店もなければコインロッカーもない。仕方なくキャスターつきバッグをゴロゴロ言わせて海の方に歩く。まっすぐ進み、ちょうど防波堤から海を見る・・・とその途端に強い雨が降ってきた。慌ててミュージアムに入る。バッグは受付で預かってくれた。その時「ほたるいかは今はいませんがよろしいですか?」と確認を受ける。

映像コーナーで、滑川で毎年行われるほたるいか祭りを見たり、展示コーナーでは、ほたるいか漁の歴史やほたるいかの生態系の紹介を見る。これまでいろんな食べ方で食べてきたほたるいかだが、その生息については知らないことばかりだったので、いろいろためになった。

主な特徴として、「秋田から山陰辺りを回遊する一年魚」「発光するのは、仲間とのコミュニケーションや敵への威嚇のため」「富山湾には産卵のためやってくるが、そのほとんどがメス。オスは富山湾に来るまでに交接をした後死んでしまう」というもの。料理で食べているのはメスなのかな。

また滑川は海洋深層水の活用が行われており、研究施設がある。このミュージアムにも海洋深層水の水槽があり、カニやエビがいる。この水槽に手を入れてエビを触ることができる。エビの感触はともかく、ひんやりした水が気持ちいい。思わずこの水で顔を洗ったりタオルを浸けたりしたくなる(もちろんやってはいけないが)。

一通り見学した後、隣接する売店に向かう。ほたるいかをはじめとした水産加工品が並ぶ。ほたるいかの沖漬け一つとってみてもさまざまな味付けがあり、試食も楽しい。もっとも美味かった一品を、海洋深層水のペットボトルと合わせて購入する。

雨は強く降っているが、列車に乗るのでまたキャスターつきバッグをゴロゴロ言わせて駅に戻る。・・・と、雨が止んだようだ。結局この後大阪に帰るまで傘をさすことがなかっただけに、おてんとさんの意地悪を感じる。

次の列車に乗る。今度はえちごトキめき鉄道の直江津まで買い求める。富山県内の越中宮崎までならICOCAをはじめとしたICカードが使えるが、一気に行くことにしたので券売機で買い求める。ここもあいの風とやま鉄道とえちごトキめき鉄道の連絡きっぷであるが、えちごトキめき鉄道もJRも直江津から先は券売機で買うことはできない。滑川はみどりの窓口があるのでその辺は対応するのだろうが、一見さんの旅行者にとっては不便なことである。移管された区間を誰かが一括で引き受ければよかったのだろうが、行政が絡む話だし・・・。同じ乗り入れと言っても、阪神なんば線や神戸高速鉄道を経由して、近鉄奈良線や大阪線から阪神を通って山陽電鉄や神戸電鉄に行ける・・・というのとはまるっきり事情が異なる。元々別会社の路線を一本につなぐのと、元々JR(あえて国鉄までは遡らないにしても)だったのがズタズタに切り裂かれたのとでは意味合いが全く違う。

・・・と、他所から来た一見の利用者は思うが、案外地元の人たちは淡々と利用しているのかもしれないし、日常的に会社を跨ぐほどの長距離の利用はないのかもしれない。

滑川駅の待合室でそんなことも思ったりするが、テレビでは高校野球中継である。準々決勝で、この大会優勝した東海大相模の試合中。改札に立つ駅員も、この位置なら待合室のテレビが見えるのか、その方をじっと見ていた。

やって来たのは「新快速タイプ」の車両。これで泊まで行く。JR時代は直江津まで直通する列車も多かったが、今はあいの風とやま鉄道内の泊で区切られる。境界は2つ先の市振だが、これも県境に近い駅がそこだからというだけのこと。

魚津、黒部といったところを通り、終点の泊に到着。改札口から見れば跨線橋を渡った島式ホームに着く。乗り換えとなる直江津行きは同じホームの前方に停まっている。直江津行きは1両しかなく、乗り継ぐ客もそこそこいたので席を確保すべく小走りになる。実質、ここから先はえちごトキめき鉄道のエリアだ。

同じホームでの乗り換えは、乗り継ぎが多いと思われる駅ならいちいち階段を上り下りしなくてすむので便利だと思う。ならば、改札口に近いホームで乗り換えができればと思うがそうではない。直江津方面への「下り」よりも富山方面への「上り」直通を優先したのかもしれないし、日本海縦貫ルートを走る貨物列車のために空けていることも考えられる。

そんな一見さんの私が乗り継ぐえちごトキめき鉄道。列車が1両というのもアレだが、ましてこれが「電車ではない」と言われた日には・・・・。
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