まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第10番「三室戸寺」~西国三十三ヶ所巡り・30(花とオブジェの札所)

2015年08月03日 | 西国三十三所
8月に入り連日の猛暑日が続く。昨年は夏の豪雨の衝撃が強く、ここまで猛暑だったかな?と思うほどである。

ペナントレース後半戦の前に、勝ち運の寺として有名な勝尾寺に行ったからというわけではないが、オリックス・バファローズもじわじわと上との差を詰めてきた(ライオンズとイーグルスが連敗したからだが)。そしてイーグルスとの直接対決で5位浮上というところまで来た。ただここで連敗したのは痛い・・・。それでも一時のことを思えば、いつしか負け数はドラゴンズのほうが多くなったし、3位までとの差もまだ見通せるところ。相変わらず故障者は多いが、今いるメンバーで何とか追い上げてほしい。

さて、暑い中だが回ってみようというのが西国三十三所。最初に地元葛井寺で朱印をいただいたのが昨年の8月で、もう一年になる。一応、できれば年内で満願になればと思っているが、今の感じだと果たしてどうか。

今回行くのは第10番の三室戸寺。若い番号である。エリアは宇治で、元は奈良時代末の光仁天皇の勅願寺として「御室戸寺」だったのが、後に花山、白河の両天皇(法皇)の離宮にもなったことで、3人合わせて「三室戸寺」と呼ぶようになったという。

宇治という場所にあることもそうだが、ここが有名なのは、花の寺としてである。特にあじさいとつつじだが、いずれも初夏のもの。秋なら紅葉も楽しめるだろうがこの猛暑となると・・・。でもまあ、サイコロで決まったなら行かないと次に進めない。

京阪特急のゆったりシートで中書島に来て、宇治行きに乗り換え。六地蔵、黄檗と、以前に「関西私鉄しりとりサイコロの旅」で降りた駅を過ぎる。その企画では終点の宇治にも行っており、改修を終えて昔の色調に復元された平等院鳳凰堂の内部拝観で結構待たされるというのがあり、あまり時間が取れないことから断念したことがあった。

宇治の一つ手前の三室戸に到着。今回、三室戸寺の参拝とセットになるのは宇治の寺社群、さらには宇治川沿いに天ヶ瀬ダムまでウォーキングをしようかというプランで乗り込んだ。

三室戸駅には寺への道順が示され、宇治エリアのパンフレットが置かれている。まず三室戸寺へは駅から一本道。およそ1キロとある。15分も歩けば着く距離だが、もう湿気と熱気にやられそうだ。

三室戸寺の立派な書体の石碑に着き、入山料を払って中へ。山門を過ぎて右手には豊かな緑が広がり、宇治だけに上のほうは茶畑か?と一瞬思うが、こちらがあじさいやつつじの広がる庭園である。季節ではない今は柵で囲って入れない。

100段ほどの石段を上がると本堂のあるエリアに出る。まずは手水を使い、暑いので柄杓の水を両腕にぶっかける。

そして振り返るとそこにはおっさんの石像。よく見ると、頭だけおっさんで身体はとぐろを巻いた蛇。宇賀神と呼ばれるが、何か、漫画のキャラクターにこんなのがいなかったか。蛇の尾を撫でると金運、髭で健康、耳たぶで福が来るという。大勢の人が撫でたと見え、その部分は色が変わってつるつるしている。

さて本堂を見る。手前には蓮が植えられており、これは7月~8月が見頃。白やピンクに花開いているのがいくつかあるが、賑やかさには欠ける感じがする。

その本堂の両脇には牛と兎が控える。参詣者から見て右手の牛は「宝勝牛」。牛の口の中にある宝玉に触れると勝ち運が上がるとか。触れるのは簡単なことで、牛だけにここでもバファローズの必勝を祈る。

一方で兎は、宇治の昔の呼び方が「菟道」というように、元々この地にも関連があるのだろう。像の下に手を入れる穴があり、中にある卵形の石を立てることができれば願いが叶うとか。これも手を入れるが、中の石は立った状態。これはいかんなと、一度倒して改めて立てる。そんなに難しいものではない。

そんな蛇や牛や兎が前を固める本堂。ようやくお勤めを行うが、わずか2~3分ほどの読経でも汗がボトボト流れる。これはたまらん。

お勤めの後は朱印をいただく。受付の障子戸が閉まっていたのは、中で冷房を効かせてたのかなと思う。

しばらく歩いて、本堂下の庭園へ。あじさいやつつじのエリアは柵で仕切っていて入れないが、それ以外も枯山水や、池を囲んだ造りがあり、これだけでも庭園として立派だ。今の三室戸寺は江戸時代の再建だそうで、その頃となると庭造りの技術も進んだものであったことだろう。

花の時季の賑わいは頭の中でイメージするとして、三室戸寺を後にする。次の巡礼先を決めるくじ引きとサイコロはここでは行わず、この後、何なら最後に平等院に行った時のこととして・・・。
コメント (2)