今の森林行政

2005年09月14日 22時19分47秒 | 森をとり戻せ
まだまだがじり始めたばっかりで行政をうんぬんかんぬんするのはおかしいとは思いつつ、今をまとめておきたい。
僕がお話させていただいた方々の共通した意見は「外材が安くて国産材の需要はない。手入れしても金になる見通しはない。でも森は守らねば。」です。間伐作業に参加した時、樹齢50年の檜は切らないのです。これを守りつつ、山を守ろうとしてました。こういう作業も価値はあります。とりあえず水害を起こさない山に変えるという意味でです。でも永い目で見ると「問題の先送り」ではないでしょうか。永遠に人の手が必要な状況は変わりません。原始の森は原始故に人手不要な森として成立してます。一旦人手が入った森は人為的要素を残す限り、永遠に人手が必要です。
選択肢は2つしかないと考えるのですが。ひとつは林業が成り立つような社会環境を創出すること。国民が国産材を使って家を建てる政策です。そうすることで、永遠に金をかけ、維持できる状況にすることです。
もうひとつ、それは180度反対側の考え方ですが、今後永遠に金をかけなくていい森、つまり原始の森に戻してしまうことです。
前者はおそらく成り立たない話でしょう。日本は人件費が高いのです。山で仕事する人たちの給料が払えるだけの高い木材が売れるはずがありません。ましてや今の日本人で木造の家を作る人がどれだけいますか。都心に高層マンションを作って、住む社会ですよ。
となると、後者の方法しかないのではないですか。今50年ものの檜をもったいないと考えるのは間違いではないでしょうか。人間が植えた木はなくし、もともとその山に自生していた木々の苗を植え、育てる方法をとるべきではないでしょうか。
今金をかけるなら、将来費用発生のない方法を選択すべきです。
9月7日朝日の朝刊に滋賀県知事国松氏が投稿されてます。「抜本改革に国の支援を」と林業の今を苦慮されてます。ひとつは林業公社がかかえてる(利子でふくらみ続ける)負債の処理方法。もうひとつは長期的、安定的な管理・保全の仕組み作りの必要性です。後者について、私は上にも書いた通り、「仕組み」はないと考えます。人間の仕組みを必要としない状況にどうやったらできるかを考えるべきではないでしょうか。
私はこの考え方をベースにやっていこうと考えてます。
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