goo blog サービス終了のお知らせ 

「エフゲニー・オネーギン」を観る

2017年05月22日 04時26分46秒 | 映画・演劇鑑賞
METのライブビューイング(ニューヨーク・メトロポリタン劇場でのオペレア公演を映画で見せてくれるもの)で「エフゲニー・オネーギン」を観た。普段イタリアオペラを主に観てる僕には初めての「イタリア以外」じゃないかな。
さすが「ロシア」、さすが「チャイコフスキー」と思わせられる作品だった。時間的、空間的広さ、人間関係のねちっこさ、中世ロシア貴族の一種の廃退さ、「う~ん、ロシアだな」でした。ついつい学生の頃観た「戦争と平和」を思い出した。もうそっくりですね。(チャイコフスキーが作曲を始めた頃トルストイと親交があり、トルストイからいろいろ助言されてたというのは有名な話とさっき知った)
もうひとつ、同じ決闘物でも「カヴァレリア」はどっちかが死んで「うわ~、悲しいわ」で終わるのに、ロシア物はそこから数年を経たのちの「人間の(愛が)ああでもない、こうでもない」とやりだす。これか文化の差、人間性の差なんでしょうね。
でもその意味で新鮮さもあったのかな。このスケールを劇場、舞台で表現した演出も凄いね。「さすが本物」感です。

この公演、実は主役のバリトンソリストが病気で交代したものだったのです。倒れた方の「ホボロストフスキー」というバリトン歌手を知り始めた頃で、彼を聞きたくて観る気になった作品でした。「ペーター・マッテイ」という人に代わったわけですが、これが想定以上に上手くて大満足でした。準主役のアンナ・ネトレプコは想定内の感激。大勢準主役が歌ってくれますが、どなたも上手い、ここはさすが「MET」でしょうか。僕が特に「いいな」と聞いたのはバスの「ステファン・コツァン」(公爵グレーミン役) バスなのに「テノールでしょう」と思わせる高音の美しさは安定感抜群。出番が少なかっただけに印象深い。もうひとり、音楽の先生役で歌った男性、端役ってことでしょうか、名前がわかりません。右足を器具で固定して登壇してました。おそらく本当に障害を持ってられるのだと思います。ついつい座間の先生を思い出しました。障害を持ってても、堂々を舞台に立ってる、立たせる実力の世界なんだな。

いやいや、ともかく「良かった」。映画にしてはちょっと高価なんだが、本物を観ると考えたら安い、安い。嬉しい企画です。
来シーズンの公演ラインナップ 10作品も発表されてる。2018/02/10に上演される「愛の妙薬」を観せてくれるらしい。これはいろんな意味で外せないでしょう。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする