


横浜山手の洋館「べーリック・ホール」でピアノを聞いてきた。
現存する洋館の保存と有効利用を進めてる公益社団法人の活動のひとつ。60人しか入れず、抽選もれになると思ったが、抽選にならず、参加できた。


演奏会の中間でティータイムがあり、紅茶とクッキーがいただける。さらに洋菓子のお土産もいただけた。モーツァルトの時代に宮廷貴族が楽しんだ優雅な室内楽を楽しんでる雰囲気を堪能してきた。こういうのも楽しい。またチャンスがあれば参加してみたい。
演奏会は「後藤泉」という女性ピアニストのソロ演奏でした。演奏曲は以下。
グリーク 抒情小曲集より「水夫の歌」
グリーク 「ペール・ギュント」第1組曲から
第1曲 朝
第2曲 オーゼの死
第3曲 アニトラの踊り
第4曲 山の魔王の宮殿にて
ドビュッシー 前奏曲第1巻より「沈める寺」
ドビュッシー 「喜びの島」
(休憩)
エルガー 「愛の挨拶」
チャイコフスキー 四季より「トロイカ」
ベートーベン 交響曲第6番「田園」より
(リスト編) 第3楽章
第4楽章
第5楽章
知ってる曲もあれば、初めて聞くものもある。小品中心で構成されてること、ピアニストみずからが作品の解説をしてくれたこと等気持ちよく聞かせてもらった。
ドビュッシーは絵画の世界の「印象派」。光、輝き、色、風、それを音の世界で表現しようとした作曲家。大変納得。
チャイコフスキーの「トロイカ」 トロイカとはロシアの3頭だての馬そりのことのらしい。驚いたのは旋律が西部劇映画でカウボーイが馬を走らせる時にバックで流れるものとよく似てること。ロシア人が雪の中を走る馬から連想する旋律と荒くれ者が走らせる馬のイメージが一致するというのは人間の本質みたいなのが見えておもしろかった。
ほんとに驚いたのはリストがベートーベンの全交響曲をピアノソロ用に編曲してることを知ったこと。長年クラシックを聞いてきたけどこんな話初めて聞いた。今回の演奏曲目に6番があるが、「いいとこ取りしたもの」とたかをくくってた。そうじゃなく全曲の編曲なのにはびっくり。演奏会終了後に後藤さんに「リストは9つ全て編曲してるのですか?」と聞いたら「あるんです」との答え。会場で彼女がCD化してる3番と9番のCDを販売してたので9番を買ってきた。これからまたちょっとやみつきになって聞き込むんじゃないだろうか。
演奏会で座った席がピアノの前2列目。プロの指が鍵盤の上で軽やかに踊るのをじっくり見せていただきました。いや~、よう動くもんですわ。交差するは重なるは、それでいて間違わないからもう驚嘆。
今バックで第九が終了しました。この記事を書きだして時に聞き始めたからもう67分がたったということ。ピアノ1台でこの大曲を演奏する、リストも凄いことやってくれたものです。