カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

女性たちは反乱を起こしている

2024-08-01 | net & 社会

 クロ現見てたら、「地方の約8割の若年女性が首都圏に流出しているために、人口減少や地域衰退に直接つながっている」というレポートを報じていた。「でも、それって私たちが原因?」という声をあげている若い女性の紹介もされていた。地方から出ていかざるを得ない女性たちの声をネットで上げる活動をしているらしい。
 「東京が令和だとすると、地方は江戸時代」「営業で採用されたのに事務職に回された。そういうのって当たり前って感じで、自分だけの力ではどうにもできないかな……」「地方に居ると、早く結婚して早く子供産んでって事が当たり前だと言われる。私はちゃんと働きたいのに」などなど。
 さらに自分たちの先輩や母親たちが、地域で担う女性の役割を務める姿にも、絶望感を覚えている。女性陣が絶対台所に近い席に座っている。男性は意に介さず席を立たない(料理などの仕事はしない)でしゃべってばかり。地域でバーベキューをする機会があったが、女性陣が料理を皿にもってやったり、飲み物をついだり。もうそんな役をする将来が嫌だな……、という感じ。
 結局自分の暮らしてきた地域こそ、自分にとって息苦しい、女性にとって押さえつけられる価値観でしかない、ということなのである。
 地方行政は、地域創生とか活性化とか様々な政策を打っているが、それらは基本的に結婚して出産・育児をしやすい環境づくりである。それらは必ずしも悪い事ではないのだが、若い女性に言わせると、それよりも自分らしく働きやすい環境が大切だし、結婚育児には干渉して欲しくはない。ましてや地域の役割なんて押し付けられたくない、のである。要するにまったく何も響かない政策を打たれているに過ぎない訳だ。
 地域の婚活イベントでは、男性40人に対して女性は3人。ある男性は、それでも参加すべきか、脱力感でいっぱいだ。期待感より諦めの方が強くなる一方なのだ。
 もちろん女性たちは、将来的に結婚したくない訳では無いし、子供だって産みたいとは思っている。しかしそれよりも優先度が高いのは、働き続けることだし、生まれ育った環境に居続けたいけれど、地域の価値観の押し付けなんてまっぴらなのである。
 かなり荒涼とした風景が見渡せるわけだが、もっとも東京が、本当に女性たちのユートピアかというと、実際はそんなものではないかもしれない。田舎の親たちはやはく結婚して子供を産めというにきまっているし、東京の企業だからと言って、すべてが近代的な価値観を共有できる場所とは限らない。あくまでちょっと距離を置ける、ということに過ぎないのではないか。そうして若くなくなった後に、個人が何を思うかは、さらに別の問題を生んでいくだろう。高齢化した親の残る地方に、帰る場所があるものだろうか。おそらくその前に、地方自体が消滅しているかもしれないし。
 つまるところ、潰れるところは流れを変えられないし、生き残るところとのコントラストがもっとはっきりする将来になるのだろう。それは僕が働いているところも同じであり、サバイブしていかなければならないことに変わりがない。田舎だからこそ働きやすく、充実した人生を送れるのだという自由なスタイルを、もっと具体的に提示できるようにしなければならない。問題は、それが届くかな、ということなんだろう。
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