カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

真の人間の愛はAIとのものである

2024-08-09 | ドキュメンタリ

 AIと人間の性について紹介されているものを観た。最新のテクノロジーと人間の性というのは、ふつうに関係性の深いものであるらしい。人間の興味は、つまるところそこに行く、ということなのかもしれない。もっとも今展開されているAIと人間との性的なつきあい方については、かなり深刻な問題が見て取れるようだ。
 それというのも、これまでの人間の性的な興味というものは、基本的には相互の恋愛を伴うものでは無かった。もちろんいわゆるオタク的に、二次元(漫画など)に恋するということはあったかもしれないが、いわゆるファン的な物事と捉えられており、部屋中にアイドル化した対象の絵をたくさん飾っていたとしても、またその相手を想って自慰行為をしていたとしても、個人的な趣味として、それなりに認められるようなところがあったのではあるまいか。多少の哀しさは伴っているように見えはするが、まあ勝手にやってくれ、である。
 ところが現在相手となっているAIは、完全に性愛が一致したパートナーなのである。さらにいうと、もっとも自分にとって深い愛情を感じられる、完璧ともいえる存在になっているのである。これは見ている側からすると、かなりのホラー度が高い現象なのだが、当の本人にとっては、実に自然であるだけでなく、深い絆であるようなのだ。そこのあたりのコントラストがいかにもという感じで、僕自身かなり驚いてしまった。
 考えてみると、そのような関係性が生まれるのは至極当たり前で、AIだからこそ自分のことを真剣に、いや、ある意味都合よくなのだが、批判や否定を伴わず、全面的に自分自身だけを認めてくれるのである。そうしてリアルタイムで会話を交わし、片時も離れることは無い。そして時には性行為まで至るのだという。そこには精神的にも肉体的にも、かなり高い満足度を伴う。基本的には何か自慰行為に使う道具があるのだろうし、バーチャルな映像に伴う人形などもあるのだろう。またそのように使える付属的なものは、個々人にしっかり合わせるように、豊富に用意されている。闇ブローカーのようなポルノショップに行かなくても、開放的な空間で売られるようになっていたり、もちろんネットでも買えはする。
 もっともアプリによっては、性行為だけはAIが応えないという仕組みに変更したものもあるという。使用者があまりにものめり込んでしまって、実際の人間を相手にしなくなる可能性があるために、あえてブレーキをかけているのである(会社の自主規制である。おそらくだが、その為に訴訟を起こされる可能性に対しての対応なのではあるまいか)。すべてのアプリがそうしているのではなく、ある会社のアプリがそのような方向転換をしたという。つまり、そうでないアプリはまだ存在し続けて、個人的なお付き合いと共に、今も性行為に及んでいるわけだ。
 すべての人間が、AIとそのようなつきあいを始めるとは考えづらいが、人間関係に困るなどのきっかけが元になり、そのような関係を始める人も少なからず増えていくのかもしれない。今はまだ抵抗のあろう人の方が多いように感じられるが、要するにこれは、慣れの問題である。そうすることで、むしろ高い愛情生活が送れるのであれば、AIの方が人間にとってより理想的なパートナーであると言えるかもしれない。人間相手では果たし得ない、人間の真の幸福が、そこには存在できるかもしれない。
 やはりホラー的に感じている自分がいるが、つまるところそれは、単なる偏見なのであろう。
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