キウイは食べごろが分かりにくいのだが、基本的には頭とおしりのところの柔らかさで、食べごろを判断するものらしい。そもそもエチレンを使って熟成させる過程を踏まないことには、自然に食べごろになったりしないものだそうだ。買ってきた段階でまだまだだと思われる場合は、リンゴと一緒に袋に入れておくなどすると、リンゴは自然にエチレンを出す果物なので、追熟作用があって甘くなるようだ。
キウイは一般的には夏の果物だと思われていることが多いが(実際年中出回っているけど、あえて旬だということで)、それは多くのキウイがニュージーランドから輸入されていた関係がある。ニュージーランドは南半球なので、日本とは季節が真逆だ。つまりニュージーランドで収穫されて日本にやってくる季節が、最初は夏だった為に夏の果物という印象がついたのだろう。
キウイの原産国は実は中国で、元はマタタビの仲間であるシーホータオと言われるものだ。現在はニュージーランド産が世界的に有名になり、中国でもキウイの名で通じるようになった。もともと食べられていたものだが、現在は生産量も増えていて、実際にニュージ―ランドよりも生産量が多い。そもそもイザベル・フレイザーという女の先生が、このシーホータオをニュージーランドに持ち帰ったのがきっかけだったという。その後生産量が増えていき、見た目がニュージーランドの鳥であるキウイに似ていることから、あえてキウイの名で売り出すようになって普及した。品種としてはニュージーランド産のほとんどは、ヘイワードと言われるものである。このようになってからの歴史は、まだ100年にもならないものなのだという。
日本でも60年代くらいから輸入されるようになり、その後70年代になるとミカンの価格の大暴落が起こり、代わりに温暖な地域なら育つキウイを栽培する農家が増えたという。それで日本では秋から冬にかけて収穫されることから、冬の味覚としても出回るようになった。日本で品種改良されたものも多く、大きさや甘さも様々なものがある。
またキウイと肉とは相性が良く、食後にキウイを食べると消化を助けると言われる。肉料理にキウイを使うことで、肉自体を柔らかくし味を良くすることも知られている。まだまだ可能性を秘めた食材と言えるかもしれない。
また、タネが多いほど旨いともいわれているので、切った断面をよく観察して食べ比べてみるといいだろう。
肥料にアミノ酸の入っているものを用いると、味も良くなるらしい。個人で栽培する人は少ないかもしれないが、いちおうご参考までに。